<こむら返り> 原因は肝臓ですよ 易の陰陽論と鍼灸医学で解説します
はじめに
睡眠中や激しいスポーツ中などに、足のふくらはぎの筋肉が突然、収縮、痙攣を起こし、激しい痛みに襲われることが有ります。これを、こむら返りと言います。
痛みの強さの程度はこむら返りに較べれば軽度ですが、筋肉の収縮や痙攣は、太ももの後ろの筋肉や、手足の指などにも起こることがあります。
こむら返りは多くの場合、原因不明とされています。その為、ミネラルのサプリメントを飲んだり、マッサージをしたり、起こった時に漢方薬の芍薬甘草湯を応急的に飲むなどの対症療法しかないのが現状です。
易の陰陽論と鍼灸医学を融合させた【私の鍼灸医学】でこむら返りは肝臓の弱りが原因であることを解説します。予防法、食事法も分かってきます。
◆陰陽論とは
陰陽論とは易の基本思想の一つで、人間の様々な生理、病理を理解する上で大変有用です。
全ての物に正反対の性質を持った陰と陽が有ります。
陰と陽は互いに引き合い、調和しようとします。一方で、
陰と陰、陽と陽は互いに反発しあい、調和しようとしません。
磁石のS極とǸ極をイメージすると分かり易いです。同じ極は反発しあい、異なる極は
引き合うのと一緒です。
◆肝臓が筋肉を養う
鍼灸医学では肝臓が筋肉を養い、健全に保つとします。
◆肝臓には陰気と陽気の二つの気がある
・陰気が筋肉を柔軟にしています。
・ 力を入れると陽気が増加し筋肉が硬くなります。
◆柔軟な筋肉を固くすることにより筋力が出る。
陰気で柔軟になっている筋肉を陽気で引き締め、硬くすることにより筋力 が出るのです。 陰気が不足すると、筋肉は力を入れなくても硬くなってし まいます。その分、筋力は出なくなります。
◆肝臓が弱り陰気が極端に減少すると陰陽のバランスが崩れ、筋肉に力を入れ なくても、独りでに筋肉が収縮し、痙攣を起こしてしまう。
・肝臓が弱って陰気が減少している人が激しいスポーツをすると、運動中に 陰気をより消耗してしまいます。陰気が極端に減少すると、陰陽のバランスが大きく崩れてしまいます。すると、 ふくらはぎの筋肉に力を入れなくても、独りでに筋肉が収縮し、痙攣を起こしてしまうのです。これが運動中に起こるこむら返りです。
・人間は眠る為に陰気を体の中心部に集める必要が有ります。従って、睡眠 中は足の陰気が少なくなるのです。
肝臓が弱って陰気が減少していると睡眠中、足の陰気が極端に減少し、陰陽のバランスが大きく崩れてしまいます。すると、ふくらはぎの筋肉に力を入れなくても、独りでに筋肉が収縮し痙攣を起こしてしまうのです。これが睡眠中に起こるこむら返りです。
まとめ
◆肝臓が筋肉を養い、健全に保つ
・肝臓の陰気が筋肉を柔軟にする
・肝臓の陽気が筋肉を硬くする
◆肝臓が弱ると陰気が減少し、力を入れなくても筋肉が硬くなってくる
◆肝臓が弱って陰気が減少している人が激しいスポーツをすると、陰気が極端に減少し、陽陰のバランスが大きく崩れ、独りでにふくらはぎの筋肉が収縮し、痙攣を起こす。 これがスポーツ中のこむら返り
◆肝臓が弱って陰気が減少していると睡眠中、足の陰気が極端に減少し、陰陽 のバランスが大きく崩れ、独りでにふくらはぎの筋肉が収縮し、痙攣を起こす。これが睡眠中のこむら返り
◆度々こむら返りを起こす人は病院で肝機能異常や、肝硬変などの肝臓病と診断されることがあり要注意
◆肝臓を弱らせない為の予防法、食事法の注意点は下記の如くです。
・肉類の過剰摂取
・脂肪(食事、洋菓子、菓子パン、スナック菓子、ナッツ類など)の過剰摂取
・アルコールの過剰摂取
・過労、ストレス
・睡眠不足
・適度な運動、マッサージ、柔軟体操、ストレッチなどの実行