<グルグル回るめまい> 原因は肝臓ですよ 易の陰陽論と鍼灸医学で解説します
◆はじめに
内耳の前庭にある耳石(ゼラチン質からなる耳石膜上に付着した0.3ミリ程の大きさの無数の石)が何らかの原因で耳石膜から剥がれ落ち、回転を感知する三半規管の中に流れ込むことによって起こるめまいを良性発作性頭位めまいと言います。
グルグル回るめまいの多くはこのめまいです。以下、良性発作性頭位めまいを単にめまいと呼ぶことにします。
めまいが発症するのは、殆ど夜中に目覚めた時や朝目覚めた時です。
日中に発症する事はまず有りません。
目を覚ますと、いきなり天井が激しくグルグル回り出し、ひどい時は起きることができない、トイレにも行けないという困った状態になってしまいます。吐き気を催すこともあります。高齢者の場合、脳卒中と間違えられて、救急車で病院に運ばれたりするケースも有ります。
めまいを治す薬は特に有りません。治療としては、三半規管の中に流れ込んだ耳石を、寝返り運動や高い枕を使うことで三半規管の外に排出する方法が有効であるとされています。
三半規管の中に流れ込んだ耳石がめまいを起こすと言うことは分かりました。
しかし、西洋医学では、何故、耳石膜に不付着している耳石が剥がれ落ちてしまうのか、それが分からないのです。それが分からなければ、めまいの本当の原因が分かったとは言えないのです。
易の陰陽論と鍼灸医学を融合させた【私の鍼灸医学】で耳石膜に付着している耳石が剥がれ落ちるメカニズムを解説します。
めまいの原因、予防法、食事法が分かってきます。
◆陰陽論とは
陰陽論とは易の基本思想の一つで、人間の様々な生理、病理を理解する上で大変有用です。
全ての物に正反対の性質を持った陰と陽があります。
陰と陽は互いに引き合い調和しようとします。一方で、
陰と陰、陽と陽は互いに反発しあい調和しようとしません。
磁石のS極とǸ極をイメージすると分かり易いです。同じ極は反発しあい、異なる極は
引き合うのと一緒です。
◆耳石は粘着力のあるゼラチン状の耳石膜上に付着している
耳石膜は粘着力のあるゼラチン状物質で出来ています。
この粘着力により耳石が剥がれ落ちないよう保持しているのです。
体が上下、左右、前後に動くと、慣性の法則によって耳石も動き、耳石膜とその中にあ
る感覚細胞である有毛細胞を変位させます。
有毛細胞の変位量を電気信号に変換し、脳細胞に伝達することによって、人間は自分自
身の動きを感知しているのです。
◆耳石膜の温度が上昇すると耳石が剥がれ落ち易くなる
耳石膜の温度が上昇するとゼラチン状物質の粘度が下降し、粘着力が低下します。すると、耳石は剥がれ落ち易くなるのです。
◆肝臓には陰気と陽気がある
沈静化するエネルギーの陰気と活性化するエネルギーの陽気が有ります。
◆弱った肝臓が無理に働くと活動熱が過剰に発生する。
肝臓が弱ると陰気が減少し、過剰な活動熱が発生します
◆過剰な活動熱が内耳に入り込み内部に蓄積する。
肝臓と内耳は経絡で繋がっています。肝臓が内耳を養っているのです。
熱は上昇する性質があります。従って、過剰な活動熱が内耳に入り込み内部に蓄積します。
◆蓄積した熱は夜放出するのが効率が良い
熱と昼は陽。夜は陰です。蓄積した熱は陰の夜に放出した方が効率が良いのです。その為、夜が来るのを待っているのです。
喘息発作は夜にひどくなります。
肺に蓄積した熱を陰の夜に放出するのです。
夜に熱を放出する発作の典型です。
◆内耳に蓄積した熱が夜、耳石膜を通じて内部のリンパ液に放出され、同時に 耳石膜の温度が上昇する。
内耳に炎症が起こるのを防ごうとして熱を放出するのです。
◆耳石膜の温度が上昇し耳石が剥がれ落ち、めまいが起こる。
耳石膜の温度が上昇するとゼラチン状物質の粘度が低下し耳石が剥がれ落ち三半規管の中に入り込み、めまいが起こるのです。
まとめ
◆弱った肝臓が無理に働くことによって発生した過剰な活動熱が内耳に入り込 み、耳石が耳石膜から剥がれ落ち、三半規管の中に流れ込むのが、めまいの原因
◆発作が昼に起こらず、夜に起こるのは熱は陽の昼よりも、陰の夜に放出する方が効率が良いから
◆朝起きた時に起こる発作は肝臓が励起し過剰な熱が発生するから
肝臓が励起されることによって人間は目覚めます。目覚めのスイッチを肝臓が入れるのです。
肝臓が弱っていると、スイッチが入った瞬間に過剰な熱が発生するからです。
◆肝臓を弱らせない為の予防法、食事法の注意点は下記のとうりです。
・肉類の過剰摂取
・脂肪(食事、洋菓子、菓子パン、スナック菓子、ナッツ類など)の過剰摂取
・アルコールの過剰摂取・過労、ストレス
・睡眠不足