プロの私の鍼灸医学

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毎日の生活に役立つ鍼灸医学の紹介

<顔面神経麻痺> 原因は肝臓とすい臓と胃ですよ そのメカニズムを解説します

はじめに

ある日突然、片側の顔面筋の運動神経が麻痺し、顔の半分がが歪んでしまうという病気です。

患側の上瞼が閉じられない,口角が垂れ下がり、飲み物が漏れ出てしまう。又、音が大きく響いたり、味覚障害を伴ったりもします。

 

人に見せられないような顔に変貌してしまいますから、周りの人もびっくです。本人が受ける精神的ショックはかなりのものがあります。寒い風に当たったりすることや、ウイルス感染が原因ではないかと言われたりもしていますが、本当の因は不明とされています。

 

鍼灸医学では筋肉と神経は肝臓が養うとします。また、麻痺には縮んで伸びない痺と、伸びて縮まない麻痺の二種類があります。

 

易の鍼灸医学を融合させた【私の鍼灸医学】で顔面神経麻痺のメカニズムを解説します。

が肝臓とすい臓と胃にあること、また、予防法、食事法が分かってきます。

 

論とは

とは易の基本思想の一つで、人間の様々な生理、病理を理解する上で大変有用です。

全ての物に正反対の性質を持ったがあります

は 互いに引き合い、調和しようとします。一方、

陰と陰陽と陽は互いに反発しあい、調和しようとしません。

磁石のS極とǸ極をイメージすると分かり易いです。

同じ極は反発しあい、異なる極は引き合うのと一緒です。

 

◆まずは神経筋肉について解説します。

 

神経と筋肉は肝臓が養うと考えます。

従って、神経と筋肉に関わる全ての病気は肝臓の弱りがあるとします。

 

肝臓には陰気陽気の2種類のエネルギーがあり、肝臓が弱ることにより、陰気陽気のバランスが崩れ、神経と筋肉に悪影響を与えます。

 

具体的には、陰気が減少するあるいは、陽気が過剰となることにより筋肉と神経が収縮します。また、

陽気の過剰は、加熱、うっ血をおこし、血液循環が低下することで、筋肉収縮と神経の劣化が起きます。

 

◆ここからは、麻痺がおこる部位と関連する内臓について解説します。

 

各部位と関連する内臓については下記の通りです。

 

上瞼:すい臓  

 

唇の周り:肝臓、胃

 

頬:胃

 

上瞼が麻痺する場合は、すい臓の弱りと見ることができます。

例えば、ものもらいは肝臓とすい臓の病気です。

 

次に、唇の周りは肝臓と、胃の弱りと考えます。

例えば、唇の乾燥は胃の熱の症状です。

たらこ唇のように腫れてしまう場合は、肝臓の弱りも加わっていると考えます。

 

頬は胃の経路がめぐっていますので、胃の症状となります。

 

私の臨床経験から言うと、顔面神経麻痺のかかりやすい方には特徴があります。

それは、笑わない人です。

具体的には、笑顔が固く、やわらかく笑えない人のことです。

 

内臓の陽気が過剰となり、熱の影響で顔面の筋肉が収縮して、やわらかい笑顔が作れなくなるのです。

私の知っている患者様の中では「一度も笑顔を見たことない」という方が何人かいます。

意外と周囲の人間はそのことに気づいていないものですが、気を付けてみるとそういう方がいらっしゃいます。

その中の数名の方は顔面神経麻痺を発症しています。

 

言い換えれば、これは顔面神経麻痺を発症する前の予兆ということができます。

発症する前に、既に顔面に陽気が充満してきているため、「笑わない」「笑えない」という状態になっています。

 

さらに、肉体面だけではなく、精神面にもその影響が及ぶことが多く、物の考え方や、話の内容もどこか堅くなり、柔軟性に欠ける状態になっています。

 

肝臓、すい臓、胃に無理をさせない、予防法、食事法の注意を下記します。

 ・肉類の過剰摂取

・脂肪(食事、洋菓子、菓子パン、スナック菓子、ナッツ類)の過剰摂取

・アルコールの過剰摂取

・カロリーの摂り過ぎ

・間食を控える

・過労、ストレス

・睡眠不足