<病気って一体何!?> 病気と腸内フローラの果たす役割は「人という種」を守リ維持すること
はじめに
地球上の生き物で人ほど多くの病気にかかり、苦しみ、死んでいく種は他に無いでしょう。
昔は人間がかかる一切の病気の数を、地、水、火、風の四百四病(しひゃくしびょう)と表現しました。
病気の数としては、その程度でさほど違和感を感じなかったのです。当時「四百四病の外(ほか)」と言ったら、いわゆる恋わずらいを指して言ったものです。
西洋医学は年々進歩していると言われています。それにも関わらず、病気の数は四百四どころか、その数倍に増えてしまいました。
数が増えただけではありません。治療手段が高度化するに伴い、苦しみと経済的負担も増加の一途をたどっています。
何故、こんな日本になってしまったのでしょう。根本的な部分で、何か大きな間違いをしてしまっているのです。
病気が人にとって一体何なのか、根本的理解が不足しています。
病気を病理学的にしか捉えていないところに欠陥があります。
病気の本質は、それを、生物学的に捉えなければ理解する事ができないのです。
易の陰陽論と鍼灸医学を融合させた【私の鍼灸医学】で病気と大腸の中の腸内フローラの果たす役割は「人という種を守り維持すること」にあることを解説します。
どのような食物が、日本人の食性に合っているのか、それが分かってきます。
◆太平洋戦争後、日本人の価値観に大きな変化が起きた。
太平洋戦争に敗れた後、日本は、良くも悪くも伝統的な価値観が一気に崩壊し、欧米化が始まりました。
戦後生まれの日本人でも、いわゆる団塊の世代までは、かろうじて消えかかりつつあった日本の伝統的価値観を見聞きし、体験し、記憶に留めています。
従って。その世代までは、戦前と戦後の日本の違いを意識する事ができます。
戦後、10年を経たころから日本は急速に欧米化が進行しました。伝統的な価値観は消え去るか、又は、あまり価値の無いもとされました。
団塊の世代より後に生まれた人々が物心ついた時には、日本の欧米化は相当進んでいました。従って、その人達は、欧米の価値観を、善いものとし、ほとんど無批判に受け入れてしまいました。戦前と戦後の日本人の価値観の違いも、特に意識することは無くなってしまったのです。
◆大腸の中の腸内フローラ(腸内細菌群)と健康、病気との関係が注目されることに
最近、腸内フローラのことが良く話題になります。腸内フローラと宿主である人は共存、共栄の関係にあるのです。
腸内フローラは腸内をきれいにしているだけでなく、様々な物質の合成にも関わっており、その乱れが、がん、アルツハイマー病、生活習慣病など、多くの病気の原因になっていることも分かってきました。
腸内フローラを健全な状態に保つことが健康を維持するのに、大変重要であるとの認識が広まりつつあります。
◆腸内フローラが良くも、悪くも、日本人の体質を育んだ
日本人は長年かけて日本の気候、風土に順応してきました。身近にとれる飲食物のみが腸内フローラの食物になっていたのです。
従って、日本人の体質は、良くも、悪くも、身近にとれる飲食物を食べて育った腸内フローラによって育まれてきたのです。
それだけに、毎日体内に摂りいれる食物が如何に大事かよく分かります。
◆偏食するのが生き物の本来の姿
ほとんどの人は、栄養が沢山あると言われているものを多品種、十分摂ると、病気に罹らず、健康になれると思っています。
しかし、自然界の生き物は、栄養の事など何も考えずに、本能的に、食性に合った、特定の食べ物を偏食し続けています。
蚕は桑の葉だけ、コアラはユーカリの葉、パンダは主に笹や竹ばかりを食べ続けているのです。
偏食するのが生き物本来の姿なのです。
◆偏食することで、種を守り、維持している。
例えば蚕の餌である桑の葉に、「栄養が有りそうだから」とほうれん草を混ぜて与えたとします。蚕がそれを喜んで食べると言うことは無いでしょう。
食性に合わない食物を無理やり食べさせたとすれば、蚕は間違いなく病気になります。それを続けると蚕は蚕という種を守り、維持する事ができなくなりまです。
蚕が蚕でなくなってしまうのです。
◆自然界の生き物は自力で食物を採取、摂取している。そうすることで、種を守り、維持している。
一部の生き物を除き、自然界の生き物は道具を使わず、自力で食物を採取、摂取しています。
そうすることで、種を守り、維持しているのです。
そうしないと種を守り、維持することが出来ないと言った方が適切でしょう。
◆人は、お金で多くの食物を入手でき、栄養があって旨ければ、何でも腹一杯食べてしまう生き物
人は、生き物の進化の過程の最終段階で地球上に生まれてきました。従って、地球上の全ての生き物を食べ物の対象としてしまいます。
お金があれば、自力でなくても食物を入手でき、
欲が強いので、栄養があって旨まければ、食性を無視して、何でも腹一杯食べてしまいます。
その結果
◆ 人の食性に合わない食物まで摂取してしまい、腸内フローラが乱れ、病気に罹る
栄養のある食物が食性に合っているとは限りません。旨くて、栄養のある食物で食性に合わないないものは沢山有ります。
◆日本人の食事が急速に欧米化し、腸内フローラが乱れ、病気が増加している
伝統的な日本食には無かった、肉類、乳製品、高脂肪、輸入食品などの大量摂取により、腸内フローラが乱れてしまったのです。
その結果、かっての日本人がかからなかったような病気までも急増しています。
がん(肺、大腸、すい臓、乳房、前立腺など)、心筋梗塞、アルツハイマ―病、パーキンソン病など、多くの難病が急増しています。
◆ 日本人という種を維持する事が難しくなってきたことを、病気の急増が教えてくれている。
現在、二人に一人がんに罹り、三人に一人がんで亡くなっています。
腸内フローラの乱れが認知症の原因の一つになっていることも分かってきました。
日本人という種を維持する事が難しくなってきたことを、病気の急増が教えてくれているのです。
◆どのような食物が日本人の食性に合っているのか、見直して食生活を改善する必要がある。
以下、 易の陰陽論を用いて解説します。
陰陽論とは
陰陽論とは易の基本思想の一つで、人間の生理、病理を理解する上で大変有用です。
全ての物に正反対の性質を持った陰と陽が有ります。陰と陽は互いに引き合い調和しようとします。
一方、陰と陰、陽と陽は互いに反発しあい調和しようとしません。
磁石のS極とǸ極をイメージすると分かり易いです。同じ極は反発しあい、異なる極は引き合うのと一緒です。
◆動物である陽の人は、陰の植物と親和性がある。
陽の人は陰の植物と親和性があります。従って植物性食品に重きを置くべきです。
修行僧の精進料理がそれです。永平寺の修行僧の顔の色つやの良さは格別です。
◆陽の人は赤血球を持った陽の動物とは調和しない、相性が悪い。
特に体温の高い牛、豚、鶏は極陽の性質を持っています。人との相性は最悪です。大腸内で腐り陽毒を発生し陽性の病気の原因になります。
府の中に肉と書いて腐るという字になります。肉類は大腸内で腐り、腸内フローラを乱すのです。
詳しくは以下のブログを参照願います。
体温を持っていない魚類も大魚は決して相性が良いとは言えません。
◆人はある程度、動物性の食物を摂るように出来ている。
人は動物性食品用の犬歯を4本持っています。32本ある永久歯に対する割合は約13%です。従って、食物全体の13%程度、動物性食品を摂取するのが食性に合っていると言えます。
◆赤血球を持っていない動物は陽であっても陽の人との相性がそれなりに良い。
切って血の出ない動物は赤血球を持っていません。陽の動物であっても陰の植物に寄った動物です。従って、人との相性もそれなりに良いものがあります。
貝類、ウニ、ナマコ、小女子、じゃこ、イカ、タコなどがそれに当たります。
◆乳製品は日本人の食性に合っていない。
気候風土に恵まれた日本は、酪農に頼らなくても生きて来れました。
身の周りで手に入る穀物、野菜、海藻、魚介類、時々手に入る哺乳類、鳥類などが食性に合っているのです。
詳しくは、下記ブログを参照願います。
◆高脂肪食は日本人の食性に合っていない。
乳製品の脂肪も含めて動、植物性脂肪の摂取が過剰になっています。高脂肪食は日本人の食性に合ていません。
天ぷら料理が世に現れたのは江戸時代の初期のことです。かの徳川家康は魚の天ぷらを食べた後、体調を崩し亡くなったと言うことです。
脂肪は陰性です。過熱された脂肪は酸化され極陰性に変化します。陰毒を発生し、陰性の病気の原因になります。
詳しくは上記の<転移性胃がん、転移性大腸がんが無いのは一体何故?がん転移のメカニズムを解説します>を参照願います。
◆動、植物性食品摂取の多、少によって 体質、気質に大きな変化が現れる。
肉食動物は気質が荒く、孤独で群れをなしません。
草食動物は気質が穏やかで、仲良く群れをなします。
人の場合も同じです。
極陽の肉類を過剰摂取すれば、気質が荒く、孤独になります。
陰の植物性食品に重きを置けば、気質が穏やかで、周囲と仲良くなります。
◆種を守り、維持できなくなる危険を、自身と周りの人に教えてくれるのが病気です。
日本人の食性に合わない食物を摂ることにより腸内フローラが乱れ、病気が急増しているのです。
人が人でなくなってしまう恐れが出てきています。
食物摂取の間違いを病気が教えてくれているのです。
◆人それぞれの体質の合った食事が出来れば理想 、それが種を守り、維持することにつながる。
その為には、更に多くの陰陽の知識と、技術が必要となってきます。
それらの要点だけを簡単に下記します。機会があれば更に解説を加えたいと思います。
・年齢、性別、体質、気質、病歴の陰陽
・季節の陰陽
・植物 (種類、栽培地域、大きさ、硬さ、形、色、味、部位、成長と収穫時期など)の陰陽
・動物(種類、生息地、大きさ、形、色など)の陰陽
・調理法(植物と動物の割合、加熱様式、味、水、油、発酵、乾燥、時間など)の陰陽
・食事の摂り方(量、時間帯、かむ回数、気持ちの持ち方など)の陰陽