プロの私の鍼灸医学

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毎日の生活に役立つ鍼灸医学の紹介

<耳は脳の冷却装置>そのメカニズムを解説します。耳の病気の原因が分かります。

はじめに

脳は、人の司令塔です。五臓六腑が健全な、精神、肉体、エネルギーを生み出せるようコントロールしていす。

 

一方、は、五臓六腑により生み出された精神、肉体、エネルギーによって、養われています。則ち、五臓六腑とは互いに協調しながら活動しているのです。

 

全ての内臓は活動熱を生産しながら活動しています。健全な内臓は、活動しやすい温度 (適温)を維持しながら活動しています。(例えば、肝臓の適温は、体温より 5度 高い 約41度です。)

 

活動温度は高過ぎても低過ぎてもいけません。高過ぎると過熱、うっ血します。低過ぎると冷えて、貧血します。どちらの場合も、血液循環が悪化し、不健全な状態になります。

 

内臓の活動熱は上昇します。何もしないで、放っておくと脳に流入し、脳が過熱、うっ血します。血液循環が悪化しますから、脳の働きが低下し、五臓六腑を上手くコントロール出来なくなります。すると、五臓六腑の働きが低下し、脳を十分養えなくなります。その結果、脳の働きが更に低下し、悪循環に陥ります

 

弱った内臓が 無理に働くと、活動熱が過剰発生しますから、脳と五臓六腑の状況は更に悪化します。

 

脳が、精神、肉体、エネルギーを上手くコントロールできなくなることが、様々な精神的、肉体的病気の原因になります。脳が健全な状態を保てるよう、身体はいくつかの冷却装を備えています。 その内の一つがなのです。

 

易と鍼灸医学を融合させた【私の鍼灸医学】で耳が冷却装置として、どのように働いているのか、そのメカニズムを解説します。耳の病気の原因、予防法、食事法が分かってきます。

 

脳の冷却装置として働くメカニズムを以下、解説します。

 

外耳道は脳を空冷する通路 

 

耳の穴から鼓膜までの通路を外耳道と言います。耳の中に音を導き入れるだけでなく、脳の直下に、外耳道と言う通路を設け、脳を空冷する働きも兼ねていのです。

 

◆耳たぶの中に全身の情報上下逆投影されている。

 

耳たぶの中には百数十と言う全身のツボが有ります。耳たぶの上方手先、足先に相当し、耳たぶの下部(耳垂)が、に相当します。全身の情報上下逆投影されているのです。

 

◆上昇してくるを脳に流入する手前の直下で、耳に導き、耳たぶから発散する。

 

突出している部分は熱の発散効率が良い所です。身体の前面、側面、後面から上昇してくる熱は、突出した、あごの角完骨(耳の後ろの頭蓋骨の凸部)に誘導され耳の下に集めら、耳に流入し、耳たぶから発散されます。

 

◆人以外の、他の哺乳類(類人猿を除く)の耳たぶは集音が主目的

 

外敵から身を守る為、わずかな音も聞き漏らすことの無いよう、集音性能の良さを最優しているのです。従って、 人以外の哺乳類(類人猿を除く)の耳タブは凹凸が無く平坦大型です。

 

 ◆の耳たぶは放熱が主目的。

 

放熱効率が良くなるよう、以下の工夫が施されています。

 

・耳たぶは凹凸に富み、複雑な形状になっている。

 

凹凸に富めば表面積が広くなり放熱効率が上がります。凸部出っ張っているので、 放熱効率が上がります。

 

 ・の冷却を最優先する為、耳垂(耳たぶの最下部)に脳を投影している。

 

上昇してくるは、まず耳垂の部分に流入してきます。脳を耳垂部に上下逆に投影し、最優先で冷却しようとするのです。

 

耳輪(外周部)上半分を内側に丸めて表面積を広くしている。 

 

 表面積を広くすると放熱効率が向上するのです。

 

以下、耳の病気について解説します。

 

鍼灸医学では、<腎臓の働きで音を聞く>とします。従って、耳の病気基本にはには必ず腎臓の弱りがあります。内臓の過剰な活動熱が耳に流入し、血液循環が悪化することが直接の原因になっています。

 

<耳たぶの痛み、耳の穴の痒み>

 

内臓(腎、肝、胆、大腸、小腸、三焦)が弱って過熱し、その熱が外耳、耳たぶに流入し、血液循環が悪化するのが原因です。耳たぶが赤くなったり、硬く腫れ痛みが出たりします。耳の穴に痒みが出るのは肝臓の弱りがあるからです。

 

<中耳炎>

 

内臓(腎、肝、胆、大腸、小腸、三焦)が弱って過熱し、その熱が中耳に流入し、液循環が悪化するのが原因です病原菌が繁殖してしまい、耳の周りが腫れ、強い痛みを伴います。病原菌が繁殖するのは、肝臓の弱りが有るからです。 

 

<耳鳴り> 

 

内臓(腎、肝、胆、大腸、小腸、三焦)が弱って過熱し、その熱が聴神経のある蝸牛に流入し、血液リンパ液循環悪化するのが原因です。聴神経が振動する事によって耳鳴りが起こります。熱を振動エネルギーに変換して冷まし、血液リンパ液循環改善して、聴神経を守ろうとして鳴りが起こるのです。

 

 <耳聾(じろう)>

 

内臓(腎、肝、胆、大腸、小腸、三焦)が弱って過熱し、その熱が聴神経のある蝸牛に入り込み、血液リンパ液循環悪化するのが原因です。聴神経が劣化してしまい、聴力が低下するのです。

 

あとがき 

 

五臓六腑をコントロールしています。弱った五臓六腑から発生する、過剰な活動熱が脳に流入する事により、脳の働きが低下するのを防ぐため、冷却装置として働いているのです。

 

の病気は、過剰な活動熱が耳に流入する事により、発生します。の為にも、の為にも内臓の働きを良くすることが大事です腎臓の働きを良くすることは、特に大事です。

 

腎臓の働きに関しては、下記ブログを参照して頂くと、尚分かり易いです。 

 

shinkyu-igaku.hatenablog.com

 

日常生活の注意点を下記します。

 

・ストレス、過労、睡眠不足に注意する。

適度な運動をするように心がける。

 

飲食の注意は特に大事です。それらを下記します。

 

肉類を摂り過ぎない

脂肪を摂り過ぎない

・体質、季節に合った野菜を十分摂取する

食物繊維を含む食品を十分摂取する

五味(酸、苦、甘、辛、鹹)を摂り過ぎない

過食しない

間食は出来るだけ控える。

・良く噛む