<アルツハイマー病の原因物質、アミロイドβを排出しているのは腎臓ですよ!!> 本当の原因を易の陰陽論で解説します。
はじめにー
認知症が急増しています。厚生労働省によれば、2012 年の認知症の患者数は462 万人、65 歳以上の人の7人に1人が認知症です。2025 年には、患者数が1000万人を超え、なんと3人に1人が認知症になると予想されています。
脳が委縮するアルツハイマー病が、認知症全体の約70%占めていると言われており、これが、大きな問題になっています。
アルツハイマー病のこれまでの研究によれば、通称“脳のゴミ”と言われる、脳が活動した時に発生するタンパク質の老廃物・アミロイドβ、の蓄積が発症の引き金になっていると考えられています。
2017年5月17日放映のǸHK<がってん これが世界最先端!“認知症”予防sp>においてアルツハイマー病の予防に関する新事実が紹介されました。最近の研究で、このアミロイドβの蓄積が“排出力の低下”と深い関りがあるということが分かってきたと言うのです。
同番組によれば、良い睡眠をとるとアミロイドβを脳から洗い流す能力が高まることが分かってきたというのです。つまり、適切な睡眠時間を確保して、脳を掃除するタイミングを確保することにより、アミロイドβの蓄積を防ぐことが出来、アルツハイマー病の予防につながるというのです。
一方、脳が委縮することによって発症するアルツハイマー病の原因は腎臓であることを、私のブログ<急増するアルツハイマー病 その原因 予防法 食事法を解説します >で、既に解説しました。
また、脳の掃除については、私のブログ<睡眠と夢と覚醒が分かれば不眠症が分かる>で、既に解説しました。
本ブログでは、易の陰陽論と鍼灸医学を融合させた【私の鍼灸医学】で、通称“脳のゴミ”といわれている<アミロイドβ>の掃除を、雑巾がけの雑巾に例えて、より分かり易く解説し、併せて、西洋医学の抱えている根本的問題点についても指摘することにします。
◆陰陽論とは
陰陽論とは易の基本思想の一つで、人間の生理、病理を理解する上で大変有用です。全ての物に正反対の性質を持った陰と陽があります。全ての物は、陰と陽を調和させることによって成り立っています。
陰と陽は互いに引き合い調和しようとします。一方、陰と陰、陽と陽は互いに反発しあい調和しようとしません。磁石のS極とǸ極をイメージすると分かり易いです。同じ極は反発しあい、異なる極は引き合うのと一緒です。
◆人間の生きるエネルギーは腎臓が生み出す
鍼灸医学では飲食物から吸収された栄養素と空気中から吸収された酸素から腎臓が生きるエネルギーを生み出しているとしています。
◆腎臓が生み出している生きるエネルギーには腎陰と腎陽の二種類がある。
腎臓が生み出している生きるエネルギーには、正反対の性質を持った陰のエネルギーと陽のエネルギーの二種類があります。それらを腎陰、腎陽と呼びます。
それらの性質を下記します。
・腎陰
眠らせる、眠くさせる、鎮める、落ち着かせる、慎重にさせる、安心させる、希望を持たせる,うれしくさせる、記憶させる、物質を合成する、肉体を形成する、緩める、膨張させる、 吸い込む、収納する、など
・腎陽
覚醒させる、眠らせなくする、活発にする、興奮させる、積極的にさせる、攻撃的にさせる、暴力的にさせる、活動エネルギーを出す、圧縮する、収縮する、排出する、など
睡眠と覚醒、どちらもエネルギーが必要です。腎臓から腎陰と腎陽が脳に供給されるのです。腎陰と腎陽の量を増減することによって睡眠と覚醒を以下の四種類にコントロールしています。西洋医学は、このことに全く気づいていません。
◆睡眠には 陰の睡眠(陰陰の睡眠)と、陽の睡眠 (陽陰の睡眠)の二種類がある。
・陰の睡眠(陰陰の睡眠)
脳に腎陰が十分供給されて沈静化して深く眠る本当の睡眠。ノンレム睡眠に相当します。腎陰を増加していく前半と、腎陰を減少させていく後半とが有ります。
・陽の睡眠(陽陰の睡眠)
脳に腎陰、腎陽が十分供給されず、覚醒出来ない状態の睡眠。腎陰がとても少ない状態なのにも関わらず、脳に供給される腎陽が足りない為、覚醒出来ないのです。覚醒する直前の浅い眠りです。レム睡眠に相当します。
◆覚醒にも、陰の覚醒(陰陽の覚醒)と 陽の覚醒(陽陽の覚醒)の二種類が有る。
・陰の覚醒(陰陽の覚醒)
覚醒出来るだけの腎陽が無いにもかかわらず、腎陰が極端に減少しているので、覚醒しているように見える状態。起きてはいるが、自分自身が良く分からず、不活発で、ポーとしてしいるような状態です。
・陽の覚醒(陽陽の覚醒)
脳に腎陽が十分供給されて、活発で、はっきりと覚醒している状態
◆脳は睡眠時 物質の合成と 毒素の排出を行う
脳は生きるのに必要な様々な物質を合成しています。一方、生命活動 には必ず毒素の発生を伴います。脳は睡眠時、物質の合成と、合成した物質と毒素の排出を行なっています。
昔から、<寝る子は育つ> と言われます。良く寝る子は腎臓が丈夫なのです。脳内の物質の合成と、合成した物質と毒素の排出が順調に 行われるので 丈夫に育つのです。
骨、爪、毛髪など身体の一部を除き、細胞は膨張と収縮を繰り返しています
◆細胞は膨張時に物質を合成する
膨張時に細胞の中に原料を取り込み物質の合成を行います。
◆細胞は収縮時に合成した物質と毒素の排出を行う
収縮時に細胞を圧縮し、合成した物質と毒素の排出を行います。
脳は睡眠中、物質の合成、排出と毒素の排出を以下の様に行います。
◆脳は、陰陰の睡眠 (ノンレム睡眠 ) の前半で膨張しながら物質の合成を行なう。
腎陰を増やすことによって、必要な原材料を膨張して収納し、物質の合成を行ないます。
◆脳は、陰陰の睡眠 (ノンレム睡眠 ) の後半で、収縮しながら、合成した物質の排出と毒素(アミロイドβなど)の排出(脳の掃除)を行う
腎陰を減少させていき、脳細胞を圧縮することによって、合成した物質の排出と毒素(アミロイドβなど)の排出(脳の掃除)を行うのです。
◆脳は、陽陰の睡眠 (レム睡眠) 時、毒素を排出し掃除をする。
腎陰がとても少ない状態で、ある程度の腎陽が有ります。この時、脳は一番圧縮され、強力に毒素(アミロイドβなど)を排出し掃除をします。
◆陽陰の睡眠 (レム睡眠) 時、夢を見る。夢を見ている時は、毒素を排出し、脳の掃除をしている。
覚醒する直前に夢を見ます。その時、毒素を排出し、脳の掃除をしているのです。支離滅裂な夢が多いのは毒素がもとになっているからです。
◆睡眠のサイクルを一晩に数回繰り返し、物質の合成と、合成した物質と毒素(アミロイドβなど)の排出(脳の掃除)を行う。
長時間の睡眠がとれない場合に備えて、睡眠の1サイクルは短く、約90分となっています。また、数サイクル繰り返した方が、よりきれいな状態にすることが出来るので、そのようにしているのです。
毒素(アミロイドβなど)の排出(脳の掃除)を、より理解し易くする為、以下、<雑巾がけの雑巾>に例えて分かり易く解説します。
汚れた雑巾をきれいにする為には、まず、バケツに水を張り、雑巾をゆすぎ、布の繊維に良く水を良く含ませ膨張させます。これが陰陰の睡眠(ノンレム睡眠)の前半に相当します。
次に、水を良く含ませ膨張させた雑巾をバケツから取り出し、ジャーと搾り、雑巾をきれいに(アミロイドβを排出)します。これが陰陰の睡眠(ノンレム睡眠の後半)に相当します。
最後に、雑巾をぎゅっと硬く絞り、余分な水分を抜き、雑巾をよりきれいに(アミロイドβを強力に排出)します。これが陽陰の睡眠(レム睡眠、この時夢を見る)に相当します。
この作業を数回繰り返すと、その度に、雑巾はよりきれいになっていきます。これが睡眠のサイクルを数回繰り返し、アミロイドβを排出すことに相当します。
次に、奇麗になった雑巾をたたんで床に置きます。これが、陰陽の覚醒(起きてはいるが、不活発で、自分自身が良く分からず、ポーとしてしいるような状態)です。
次に、奇麗な雑巾で汚れた床を拭きます。雑巾(脳)が活発に働いている状態です。雑巾(脳)はどんどん汚れて(アミロイドβが溜まって)いきます。これが、陽陽の覚醒に相当します。
以上のように “脳のゴミ”と言われるアミロイドβの掃除を【私の鍼灸医学】で雑巾がけの雑巾に例えると、とても分かり易くなります。脳は、毎日これを繰り返しているのです。
腎臓の働きが良く、腎陰、腎陽が十分脳に供給されることが、良い睡眠を生み、アミロイドβの掃除になり、アルツハイマー病の予防につながると言うことが良く理解できます。
あとがき
鍼灸医学では<腎臓は髄を生じ、脳を満たす>また<脳は髄の海>とも表現します。つまり、腎臓のエネルギーで脊髄を作り、脊髄が頭蓋骨の中に大きく膨らんで海の様に、脳を充満させるとします。
アルツハイマー病は脳が委縮する病気です。従って、本当の原因は脳にあるのではなく、腎臓なのです。脳の中の物質に起こる病的変化は、病気の原因ではなく結果なのです。
西洋医学では脳が原因であると考え、“脳のゴミ”と言われているアミロイドβに注目し、研究を続けています。そして最先端の研究結果として、睡眠を取るとアミロイドβを脳から洗い流す能力が高まることに気づいたのです。
西洋医学はエネルギーは一種類しかないと思っていっます。そして、物質とエネルギーの区別も出来ていません。ましてや、腎臓から腎陰と腎陽の二つの相反するエネルギーが生まれて人が生きていることに全く気付いていません。
本ブログでは“脳のゴミ”であるアミロイドβの掃除を、汚れた雑巾をゆすいで絞ってきれいにすることに例えて分かり易く解説しました。腎陰と腎陽の量をコントロールすることにより、睡眠と夢と覚醒が生まれ、“脳のゴミ”であるアミロイドβの掃除もされているのです。
西洋医学は、腎陰が人の肉体を形成していることに気づいていません。腎陰によって人が眠れていることにも気づいていません。
良い睡眠をとることによりアミロイドβの蓄積を防ぐことが出来、アルツハイマー病の予防につながることが分かったとはいっても、問題の根本的解決にはほとんど役に立たないと言って良いのです。
2012年、スタンフォード大学のCarla Shatz博士により、「アミロイドβの蓄積がアルツハイマー病の直積的原因ではない」という報告もなされているそうです。
西洋医学は、目に見えないエネルギーの世界の存在に気づかず、目に見える物質の世界にしか関心がありません。目に見えない世界に原因があり、その結果が、目に見える物質の世界に変化をもたらすのです。
物質の世界に起こった一つの病的変化に着目し、それを病気の原因であると主張する西洋医学の幼児性と独善性が続く限り、残念ながら、アルツハイマー病をはじめ、多くの慢性病の本当の原因は、いつまでたっても不明なままになってしまうのです。