<男女共同参画社会の危険な落とし穴!>男女の本分を易の陰陽論で解説します
はじめに
男女共同参画社会基本法が制定され、男女が均等に政治的、経済的、社会的及び文化的利益を享受し、かつ共に責任を担うべき社会」の実現が叫ばれています。これ一言で言えば、男女の差別を無くし、「それぞれが一人の人間として能力を発揮できる機会を確保し、社会を活性化しよう」と言うことになります。男女共同参画社会が実現すると「女性がより輝ける良い社会」になると言われています。しかし、一つの法律を作るだけで世の中が簡単に良くなると言うことはありません。
世の中は大変複雑です。光が輝けば必ず影が出来ます。強く輝けば影はより濃くなります。思いがけない弊害が出て来るのです。
易の陰陽論によれば、男女は精神も肉体も真逆に出来ています。と言うことは、とりもなおさず男女の本分も真逆になっていると言うことです。真逆な男女が夫々の本分を全うすることにより、相手が持ち合わせていない部分を補いあい、調和して、相乗効果を生むことが出来るのです。
男女の人権や社会参加を均等にすると、良い事ばかりが起こるとは限りません。どうしても、相手の本分にまで足を踏み込む場合が出て来るのです。そうなると、自分の本分をおろそかにしてしまい勝ちになります。
自分の本分以外の領域での活動は、精神的にも肉体的にも無理を伴います。すると、男女共に不本意な結果を招き、調和しなくなり、相乗効果を生むこが出来なくなるのです。
易の陰陽論と鍼灸医学を融合させた【私の鍼灸医学】で、男女の本分を解説します。真逆になっている男女が、どうすれば相手が持ち合わせていない部分を補いあい、良く調和して、相乗効果を生むことが出来るのか、又、<男女共同参画社会の危険な落とし穴!>がどのようなものなのかも分かってきます。
◆陰陽論とは
陰陽論とは易の基本思想の一つで、人間の生理、病理を理解する上で大変有用です。全ての物に正反対の性質を持った陰と陽があります。全ての物は、陰と陽を調和させることによって成り立っています。陰と陽は互いに引き合い調和しようとします。
一方、陰と陰、陽と陽は互いに反発しあい調和しようとしません。磁石のS極とǸ極をイメージすると分かり易いです。同じ極は反発しあい、異なる極は引き合うのと一緒です。
◆陰極まって陽を生じ、陽極まって陰を生ず。
易の基本思想の一つです。全ては極まるまで進行し、極まると真逆に反転します。例えば、冬の寒さ ( 陰 )が極まれば反転し夏の暑さ( 陽 )に向かい、夏の暑さ ( 陽 )が極まれば反転し冬の寒さ( 陰 )に向かうのです。
◆中心は陽、求心力があり、一つしか無い。周辺は陰、多数 ( 無数 )で遠心力がある。
これも易の基本思想の一つです。全ての物は一つの中心と多数 ( 無数 )の周辺から成り立ちます。多数 ( 無数 )の周辺と一つの中心は陰と陽の対を成します。中心の陽の求心力と、周辺の多数 ( 無数 )の陰の遠心力が調和し、全体の秩序を維持しているのです。
◆エネルギーに陰と陽がある。
・陰のエネルギーは、遠心性を出す。細く伸びる、細胞を生み出す、冷却する、副交感神経を活性化する、安定する、鎮める、などの性質があります。
・陽のエネルギーは、求心性を出す。収縮する、縮まる、丸くなる、加熱する、交感神経を活性化する、活発に活動する、などの性質があります。
◆物質 (身体)に陰と陽がある。
陰の物質 (身体)は陽の物質より柔らかく緩み、陽の物質 (身体)は陰の物質より硬く、締まります。
女が極まると卵子が生まれ、男が極まると精子が生まれます。男女の本分を良く理解するには、人が誕生する前の状態、つまり、人の始まりである卵子と精子の状態までさかのぼって考える必要があります。
極まった時、真理がより明白な形で見えてくるのです。男女と卵子、精子の陰陽分析をすると下記のようになります。
◆女の身体は陰、エネルギーは陽
女は陰の身体と陽のエネルギーが対を成し、調和します。
陰の女の身体は柔らかく、ふくよかです。
陽の女のエネルギーには求心力が有ります。一家の中心となり、家族を束ねるエネルギーです。祖母には強力な求心力があります。従って、祖母が健在であれば、周りに孫子がこぞって集まってきます。女にはこの陽のエネルギーがあるのです。
◆男の身体は陽、エネルギーは陰
男は陽の身体と陰のエネルギーが対を成し、調和します。
陽の男の身体は硬く、引き締まります。
陰の男のエネルギーは遠心性です。家の外で働き、一家を支えます。遠心性の陰のエネルギーを持つ祖父には、祖母の様な孫子を集めるエネルギーはありません。
◆真逆な男女が対を成し、調和する。
女の身体は陰、男の身体は陽、それらが身体の対を成し調和します。女のエネルギーは陽(求心性)、男のエネルギーは陰 (遠心性)、それらがエネルギーの対を成し調和します。
男は遠心力を発揮し、家の外で働き、女は求心力を発揮し、家にいて家を守ります。男は仕事が終われば、女の求心力に引かれて家に帰り、安心して、落ち着くのです。
真逆な男女が夫々の本分を全うすることにより、相手が持ち合わせていない部分を補いあい、調和して、相乗効果を生むことが出来るのです。
◆卵子の身体は陽、エネルギーは陰
女が極まって卵子が生まれます。すると陰と陽が反転します。従って、卵子の身体は陽、エネルギーは陰です。
陽の卵子の身体は強い求心力の為、球形になります。
卵子の陰のエネルギーは細胞を生み出し、遠心性です。排卵後、卵管内で受精し、卵管を移動しながら、八分割に細胞分裂し、桑実胚となって子宮内膜に着床するまで、細胞を生み出しながら、ひたすら遠心性を発揮します。
受精卵に関しては、下記ブログを参照して頂くと、より分かり易くなります。
体内で起こっていることと、体外で起こることは類似します。受精から子宮内膜に卵子が着床するまでが幼児の子育て期間に相当します。母親は主に家の中心にいて、子供を大きく(陰のエネルギーで細胞を生み出し)育て、必要に応じ、外出(遠心性を発揮)し子供を教育するのです。
◆ 精子の身体は陰、エネルギーは陽
男が極まって精子が生まれます。すると陰と陽が反転します。従って、精子の身体は陰、エネルギーは陽です。
陰の精子の身体は細く長くなります。 陽のエネルギーを持った精子は、活発に活動します。そして、陰のエネルギーを持った卵子と調和する為、ひたすら卵子に向かい進み、ついには受精します。
体内で起こっていることと、体外で起こることは類似します。男は遠心力を発揮し、家の外で働き、仕事が終われば、女の求心力に引かれて家に帰り、安心して落ち着きます。それと受精は類似しているのです。
男女が本分を全うすることにより、陰陽が調和します。すると、相乗効果が生まれ、幸せになるのです。
まとめ
男女の本分をまとめると以下ようになります。<男女共同参画社会の危険な落とし穴!>がどのようなものなのかも分かってきます。
中心が無いものは存在できません。中心が無ければ周辺も存在できないのです。つまり、中心に座る女の陽の求心エネルギーと周辺にいる男の陰の遠心エネルギーが調和することにより、家庭が成り立つのです。
女は出来るだけ家の中心にいて、求心エネルギーで一家を束ねなければなりません。それが女の本分です。女が家から外に出て活動すると、求心エネルギーが低下します。求心エネルギーの低下が甚だしいと、家庭崩壊につながります。これが<男女共同参画社会の危険な落とし穴!>なのです。
( 家で自営する場合は別として)男が陰の遠心エネルギーで、家の外に出ていき、働いて家を支えるのは、男の本分です。仕事を終えた男が、女の求心エネルギーに引かれ家庭に戻って、安心して落ち着くのも、男女お互いの本分なのです。
あとがき
資本主義が限りなく膨張を続けています。資本主義という陽のエネルギーを持った思想と調和する(上手くコントロール出来る)陰のエネルギーを持った強力な思想がないのです。
膨張を続ける資本主義が生み出す弊害が、様々な形となって社会に現れてきています。その為、男女の本分を全うすることが、とても難しい時代になりました。そこに<男女共同参画社会の危険な落とし穴!>があるのです。
人には様々な本分があります。それを良くわきまえ、全うすることが出来れば、相手が持ち合わせていない部分を補いあい、調和して、相乗効果を生むことが出来ます。本ブログを理解するのに役立ちそうな話を、幾つか下記することにします。
昔は、「父親がだめでも母親がしっかりしていれば、子供はちゃんと育つ」と言ったものです。周辺の存在である父親が、たとえだめな男でも、中心の存在である母親がしっかりしていれば、子供はちゃんと育ったのです。この短い言葉の中にも、母親の果たす役割の大きさが良く現れています。
太平洋戦争では多くの兵隊さんが亡くなりました。兵隊さんが亡くなる際に発した言葉は、「天皇陛下、万歳!」か「お母さん!」だったそうです。「お父さん!」と言って亡くなったという話は聞いたことがありません。男の子にとって、母親の存在が如何に大きなものかが分かります。
妻に先立たれた夫は、夫婦そろっている男に較べ、平均寿命が低下するとの統計結果が出ています。妻の求心エネルギーの存在が無くなると、遠心エネルギーの夫は、自分の立ち位置が定まらず、生きるのが不安になってしまうのです。
高齢の男同志は、 遠心エネルギーがぶつかり合ってしまい、なかなか友達になれず、孤独になります。中心になる妻の存在が如何に大きなものかが分かります。
近年、年上の妻を選ぶ夫が増えました。先々の事を考えると、決して賢明な選択とは言えません。
夫に先立たれた妻の場合は、それ程困ることはありません。返って、重しが取れて、生き生きとなる妻もいます。女同志は高齢になっても容易にお友達が出来ます。女の求心エネルギーが互いに引き合い、自然とお友達が出来てしまうのです。中心に座る女の強さがここにもあります。
嫁と姑は永遠に相手を立てることをしません。中心が二つあるわけにはいかないからです。ぶつからないよう、お互い適度な距離を置く以外ありません。それが上手くいくコツです。善いとか悪いとかという次元の問題ではありません。中心は一つですから、しょうがない事なのです。
認知症のおばあさんの中には「実家に帰る、実家に帰る」と言って家から出ていこうとする人がいます。また、今住んでいる家を実家と間違ったりすることがあります。認知症のおばあさんが「仕事に行く」と言って家から出て行くということはありません。この事からも、女が家の中心の存在であることが分かります。
認知症のおじいさんの中には「仕事に行く、仕事に行く」と言って家から出ていこうとする人がいます。決して「実家に帰ると」と言って家から出て行くということはありません。このことからも、男が遠心エネルギーの存在であることが良く分かるのです。