<子宮筋腫>の発生メカニズムを易の陰陽論で解説します 原因と改善法が分かります。
<子宮筋腫>は、初潮前の女性に出来ることはありません。また、閉経すると、大半の筋腫は収縮してしまいます。女性ホルモンが増加する妊娠中は大きくなり、女性ホルモンの分泌を抑える薬を服用すると収縮します。
女性ホルモンが原因ではないかと言われていますが、動物実験で女性ホルモンを大量に、長期間投与しても、<子宮筋腫>が出来無いので、詳しい原因は不明とされています。
<子宮筋腫>には下記のように、いくつかの<何故?>が有ります。
<筋肉に腫瘍が出来るのは 何故?>
<筋腫が球形になるのは 何故?>
<筋腫の中の細胞が渦巻き状になるのは 何故?>
<過多月経になるのは 何故?>
<女性ホルモンの分泌量が増えると筋腫が、より大きくなるのは 何故?>
<女性ホルモンの分泌量が減少したり、閉経すると筋腫が小さくなるのは 何故?>
<女性ホルモンを投与しても、動物には筋腫ができないのは 何故?>
<筋腫があると妊娠(受精卵が着床)しにくいのは 何故?>
<子宮筋腫>の発生メカニズムが分かると、これらの<何故?>も容易に理解することが可能になります。易の陰陽論と鍼灸医学を融合させた【私の鍼灸医学】で <子宮筋腫>の発生メカニズムを解説します。<子宮筋腫>の原因が、肝臓と腎臓の弱りにあること、またその改善法が分かります 。
◆<子宮筋腫>の種類と症状
<粘膜下筋腫>
子宮の内側を覆う子宮内膜の下の筋肉に出来る筋腫で、子宮の内側に向かって大きく成長していきます。発生頻度は5~10%と低い筋腫ですが、大きさは小さくても、症状は重くなり易い特徴があります。
不正出血、過多月経、強い月経痛、貧血、動悸、息切れを起こします。不妊や流産の原因にもなり、手術を要する場合もあります。
<筋層内筋腫>
子宮内膜の外側にある子宮筋層に出来る筋腫で<子宮筋腫>の70%と、一番多く見られる筋腫です。小さいときはほとんど無症状ですが、大きくなるにつれて、子宮が腫れ変形します。
子宮が強く収縮する時に下腹部痛や腰痛が出たり、過多月経、頻尿、便秘などを起こすことが有ります。出来る場所や大きさによっては不妊や流産の原因にもなります。
<漿膜下(しょうまくか)筋腫>
子宮の外側を覆う漿膜に出来る筋腫で子宮の外側に向かって大きくなります。 無症状の場合が多く、過多月経を起こすことも少ないのが特徴です。大きくなると茎部で捻じれる茎捻転を起こす場合があります。
◆<子宮筋腫>の西洋医学的治療
症状があまり出ない場合は、大きさ、症状を見ながら経過観察になります。
ホルモン剤を使った薬物療法では、完治するということがありません。骨密度の低下や更年期症状が出るという副作用があったり、治療を中止すると、筋腫の大きさが元に戻ってしまったりしてしまうのです。従って、最近は、手術で筋腫を切除する前に、一時的に小さくするために使われる程度になっています。
筋腫が増殖し、症状も悪化した場合は子宮全摘術や筋腫核出術が行われます。子宮全摘術となると、妊娠を希望する女性にとっては大変難しい判断を迫られることになります。
易の陰陽論について簡単に紹介します。
◆陰陽論とは
陰陽論とは易の基本思想の一つで、人間の生理、病理を理解する上で大変有用です。全ての物に正反対の性質を持った陰と陽があります。全ての物は、陰と陽を調和させることによって成り立っています。陰と陽は互いに引き合い調和しようとします。
一方、陰と陰、陽と陽は互いに反発しあい調和しようとしません。磁石のS極とǸ極をイメージすると分かり易いです。同じ極は反発しあい、異なる極は引き合うのと一緒です。
人が生きる根本になる腎精について簡単に解説します。
◆腎精が<精神>と<肉体>と<エネルギー>のおおもと
鍼灸医学では、<腎臓は精を蔵す>と言います。精を腎臓の中に蓄えているとするのです。それを腎精と呼びます。両親から頂いた先天の腎精と、飲食物と大気から作り出される後天の腎精の二つが合わさって腎精が形成されます。
その腎精が人の<精神>と<肉体>と<エネルギー>のおおもとになるのです。
人が生きる根本になる二つのエネルギーについて簡単に解説します。
◆エネルギーに陰陽がある
腎臓が蓄えている腎精から、陰のエネルギーの腎陰と、陽のエネルギーの腎陽の二つが生まれます。
・腎陰は、冷却する、鎮める、膨張する、緩む、伸びる、取り込む、物質(細胞など)を生み出す、副交感神経を活性化する、などの性質があります。
・腎陽は、加熱する、活発にする、収縮する、縮む、排出する、交感神経を活性化する、などの性質があります。
◆五臓六腑は腎陰、腎陽から供給される陰気と陽気で働く
例えば、肝臓は腎陰から供給される肝陰と腎陽から供給される肝陽で働くのです。
肝臓、腎臓の生理、病理について簡単に解説します。
◆筋肉の病気は肝臓が原因
鍼灸医学では<肝臓が筋肉を養う>とします。筋腫は筋肉の腫瘍です。従って、<子宮筋腫>の原因の一つは肝臓にあるとするのです
◆腎臓が弱ると、肝陰が減少する。
腎臓が弱ると腎陰が減少します。すると、腎陰から供給される肝陰も減少します。
◆肝臓が弱ると肝陰が減少し、肝血の温度が上昇する。
鍼灸医学では肝臓は血液の貯蔵タンクとします。大量の血液(肝血と呼びます)を貯蔵します。活動温度は約42度Cと高温です。肝臓が弱ると肝陰が減少し、肝陽が亢進します。すると肝臓が過熱し、肝血の温度が上昇します。
◆肝臓と腎臓の弱りが進行すると、高温になった肝血が全身に供給される。
肝臓と腎臓の弱りが進行すると、肝陰が更に減少し、肝血の温度が更に上昇し高温になります。そして高温になった肝血が全身に供給されます。
◆高温になった肝血によって子宮が加熱され陰気が減少し、陽気過剰(温度が上昇)となる。
子宮は大量の血液を必要とします。従って、その影響を強く受けます。高温になった肝血によって子宮が加熱され陰気が減少し、陽気過剰(温度が上昇)となります。
◆子宮の陰気が減少すると受精卵が着床困難になる。
受精卵は陽性です。子宮の陰気と調和する事によって子宮に着床します。従って、子宮の陰気が減少すると受精卵が着床困難になります。
◆子宮の陰気が減少すると、受精卵が着床しても発育不全で流産し易くなる。
胎児を発育させるのも子宮の陰気です。従って、子宮の陰気が減少すると、受精卵がなんとか着床したとしても発育不全で流産し易くなるのです。
◆子宮を健全な(陰陽のバランスを取り戻す)状態にする為、<子宮筋腫>を作り、過剰な陽気を筋腫の中に取り込み、封じ込める。
受精卵の着床、胎児の発育、出産のためには、子宮の過剰な陽気を取り除き、陰気が良く働くようにしなければなりません。子宮の陰陽のバランスを取り、健全な状態に戻す必要があります。その為、止むを得ず<子宮筋腫>を作り、過剰な陽気を筋腫の中に取り込み、封じ込めようとするのです。
以上が <子宮筋腫>の発生メカニズムです。
以下、<子宮筋腫>のいくつかの<何故?>について解説します。これらの <何故?>が分かると<子宮筋腫>の本質をより良く理解することが出来ます。
<筋肉に腫瘍が出来るのは 何故?>
鍼灸医学では<肝臓が筋肉を養う>とします。従って、肝臓の弱りがあるので筋腫が出来るのです。
<筋腫が球形になるのは 何故?>
物は中に強い陽気を取り込むと球形になります。<子宮筋腫>は子宮の筋肉の過剰な陽気を、中に取り込み、封じ込める為、陽気が充満しています。従って、球形になるのです。
<筋腫の中の細胞が渦巻き状になるのは 何故?>
渦はエネルギーの働きを活性化します。台風が良い例です。低気圧の強力な渦を作り、中心の目に高気圧を取り込み、封じ込めようとするのです。子宮の筋肉の過剰な陽気を、強力に中に取り込み、封じ込める為、<子宮筋腫>は筋腫の中の細胞を渦巻き状にするのです。
<過多月経になるのは 何故?>
出血は熱を抜く強力な (最後の)手段です。筋腫の中に取り込めなかった過剰な陽気を出血して出すのです。過多月経になるのは陽気過剰の為です。
<女性ホルモンの分泌量が増えると筋腫が、より大きくなるのは 何故?>
女性ホルモンの分泌量が増えると子宮の陰気はそのままで、温度だけ上昇し、陽気過剰となります。過剰な陽気を中に取り込み、封じ込めようとするので、筋腫は、より大きくなるのです。
<女性ホルモンの分泌量が減少したり、閉経すると筋腫が小さくなるのは 何故?>
女性ホルモンの分泌量が減少したり、閉経すると子宮の陰気はそのままで、温度が下降し、過剰な陽気が減少します。従って、筋腫が小さくなるのです。
<女性ホルモンを投与しても、動物には筋腫ができないのは 何故?>
実験用の動物は肝臓、腎臓の働きが健全です。子宮の陰気が十分ありますから、女性ホルモンを投与しても過剰な陽気が発生しません。従って、筋腫ができないのです。
<筋腫があると妊娠(受精卵が着床)しにくいのは 何故?>
受精卵は陽性です。子宮の陰気と調和する事によって子宮に着床できるのです。筋腫があると言うことは、子宮の陰気が減少しているということです。従って、妊娠(受精卵が着床)しにくいのです。
あとがき
<急増する卵巣嚢腫>その発生メカニズム 易の陰陽論で解説します 原因と改善法が分かります
はじめに
卵巣はクルミ程の大きさの臓器で、太さ約1センチのじん帯で子宮と繋れています。<卵巣嚢腫(らんそうのうしゅ)>とは、卵巣に出来た良性腫瘍で、卵巣に出来る腫瘍全体の8~9割を占める(残りは卵巣がん)と言われています。その<卵巣嚢腫>が特に若い人に急増しているのです。
<卵巣嚢腫>は卵巣の出口が塞がれてしまい、中に液体が溜まり膨らんでしまう病気です。直径8~10㎝の大きさになるまでは、ほぼ無症状です。その為、発見が遅くなりがちです。時には、直径20センチ以上に巨大化する場合もあります。
嚢腫の大きさが5~6㎝以上になると、じん帯が捻じれる茎捻転(けいねんてん)を起こすことがあり、その場合は、緊急手術が必要になります。
原因として、西洋医学ではストレスや食事の欧米化などが挙げられていますが、詳しくは不明とされています。
易と鍼灸医学を融合させた【私の鍼灸医学】で<卵巣嚢種>の発生メカニズムを解説します。<卵巣嚢種>の原因が腎臓と肝臓の弱りにあること、また、その改善法も分かります。
以下、<卵巣嚢腫>の種類、症状、治療について簡単に解説します。
◆<卵巣嚢腫>の種類
卵巣嚢腫は卵巣の中に溜まる液体の違いによって以下の三種類に分けられます。
<皮様(ひよう)嚢腫><成熟嚢胞性奇形腫>
直径10㎝未満の小さめの嚢腫です 。まだ受精していないのにもかかわらず、中に脂肪のかたまり、毛髪の束、骨、歯などが出来てしまうのです。左右両方の卵巣に同時に発生する事もあります。20~30代の若い人に特に多く、妊娠中に発見されることもあります。
<漿液性(しょうえきせい)嚢腫>
黄色透明の水様液が溜まり、球形の握りこぶし大の大きさになります。<卵巣嚢腫>の中でも最も頻度の高い腫瘍です。
<粘液性(ねんえきせい)嚢腫>
ネバネバした粘液性の液体が溜まり、かなり大きな嚢腫になる傾向があります。 まれに、高齢者で、自然破裂を起こし、腹腔内に粘液が散乱することが有ります。
◆<卵巣嚢腫>の症状
下腹部の膨満感、下腹部や片側下腹部の痛み、下腹部の急激な激しい痛み、便秘、頻尿、性器からの出血、閉経しているのに出血する、など。
◆<卵巣嚢腫>の治療
特に有効な薬は有りません。嚢腫が小さい(5㎝未満)場合は経過観察になります。大きい(5㎝以上)場合は、症状や、腫瘍の大きさ、種類、年齢、妊娠や出産経験、今後出産を希望するかどうか、などの状況を判断して手術するかどうか決められます。
◆陰陽論とは
陰陽論とは易の基本思想の一つで、人間の生理、病理を理解する上で大変有用です。全ての物に正反対の性質を持った陰と陽があります。全ての物は、陰と陽を調和させることによって成り立っています。陰と陽は互いに引き合い調和しようとします。
一方、陰と陰、陽と陽は互いに反発しあい調和しようとしません。磁石のS極とǸ極をイメージすると分かり易いです。同じ極は反発しあい、異なる極は引き合うのと一緒です。
◆腎精が人の精神、肉体、エネルギーのおおもと
鍼灸医学では、<腎臓は精を蔵す>と言います。精を腎臓の中に蓄えているとするのです。それを腎精と呼びます。両親から頂いた先天の腎精と、飲食物と大気から作り出される後天の腎精の二つが合わさり、腎精が形成されます。その腎精が人の精神、肉体、エネルギーのおおもとになるのです。
◆エネルギーに陰陽があ
腎臓が蓄えている腎精から、陰のエネルギーの腎陰と、陽のエネルギーの腎陽の二つが生まれます。
・腎陰は、冷却する、鎮める、膨張する、緩む、伸びる、取り込む、物質(細胞など)を生み出す、副交感神経を活性化する、などの性質があります。
・腎陽は、加熱する、活発にする、収縮する、縮む、排出する、交感神経を活性化する、などの性質があります。
以下、腎臓の弱りが原因で出来る<卵巣嚢腫>発生メカニズムを解説します
◆卵子を成熟させるのは腎陰
物質(細胞など)を生み出すのは腎陰です。従って、卵子を成熟させるのは腎陰です。
◆卵巣は陽が強く、過熱し易い 臓器
卵巣は球形をしています。球形をしているものは陽です。卵巣中の腎陰とバランスを取る為に強い陽なのです。陽が強いだけに腎陰が減少すると陰陽のバランスが崩れ、過熱し易いのです。
◆腎臓が弱ると腎陰が減少し、卵巣が過熱する。すると、<皮様嚢腫>、<成熟嚢胞性奇形腫>が出来る。
腎臓が弱ると腎陰が減少し、卵巣に供給される腎陰も減少します。腎陰が減少すると、卵巣が過熱(温度はさほど上がっていません)します。過熱すると反応が早まります。従って、受精を待てずに、誤って身体の細胞(脂肪のかたまり、毛髪の束、骨、歯など)を部分的に作り始めてしまうのです。
受精していませんから命を作り出す五臓、六腑を作ることは出来ません。これが<皮様嚢腫><成熟嚢胞性奇形腫>の発生メカニズムです。
◆腎臓が更に弱ると、卵巣が<皮様嚢腫><成熟嚢胞性奇形腫>の場合より過熱し、温度が上がり<漿液性嚢腫>が出来る。
卵巣に供給される腎陰が更に減少すると、卵巣が<皮様嚢腫><成熟嚢胞性奇形腫>の場合より過熱し温度が上がります。そこで、止むを得ず、卵巣に水様液を貯めて温度を下げ、炎症を起こすのを防ぐのです。これが<漿液性嚢腫>の発生メカニズムです。
◆ 腎臓が更に弱ると、卵巣の温度が<漿液性嚢腫>の場合より更に上がり<粘液性嚢腫>が出来る。
卵巣に供給される腎陰が更に減少すると、卵巣の温度が<漿液性嚢腫>の場合より更に上がります。そこで、止むを得ず、卵巣により多くの水様液を貯めて温度を下げ、炎症を起こすのを防ごうとするのです。温度が高いので水分を消耗し、水溶液の粘度が高くなり、粘液となるのです。これが<粘液性嚢腫>の発生メカニズムです。
以下、肝臓の弱ると <卵巣嚢腫>が、より出来易くなると言うメカニズムを解説します。
肝臓が弱ると、以下の事が起こります。
◆弱った肝臓が無理に働くと、肝血の温度が上昇する。
鍼灸医学では肝臓は血液の貯蔵タンクとします。大量の血液(肝血と呼びます)を貯蔵します。活動温度は約42度Cと高温です。弱った肝臓が無理に働くと肝陰が減少し、肝陽が亢進します。すると肝臓が過熱し、肝血の温度が上昇します。
◆肝臓の弱りが進行すると、高温になった肝血が全身に供給される。
肝臓の弱りが進行すると、肝血の温度が更に上昇します。そして高温になった肝血が全身に供給されます。
◆高温になった肝血が生殖器とその周囲に蓄積していく。
生殖器は大量の血液を必要とします。従って、血液の影響を強く受けます。高温になった肝血が子宮、卵巣、卵管だけでなく、骨盤内の腹膜、膀胱、直腸、小腸などにも蓄積していきます。
◆高温になった肝血が卵巣に蓄積し、<卵巣嚢腫>が<より出来易くなる >
高温になった 肝血が卵巣に供給されるので、<卵巣嚢腫>が、より発生し易くなる のです。
あとがき
易の陰陽論と鍼灸医学を融合させた【私の鍼灸医学】で腎臓、肝臓の弱りが<卵巣嚢腫>の原因である事を解説しました。腎陰と肝陰の減少により卵巣が過熱し温度が上がるのが原因になっているのです。
腎陰が減少すると、卵巣が過熱してきます。温度はさほど上がっていなくても、過熱すると、反応が早まります。受精を待てずに誤って身体の細胞(脂肪のかたまり、毛髪の束、骨、歯など)を部分的に作り始めてしまうのです。それが<皮様嚢腫>、<成熟嚢胞性奇形腫>です。
卵巣が過熱し温度が上昇すれば<漿液性嚢腫>が、温度が更に上昇すれば<粘液性嚢腫>が出来ます。どちらも、温度を下げて卵巣が炎症を起こすのを防ぐ為に止むを得ず出来るのです。
<子宮内膜症>でお困りの貴方に その<原因と対策> 易の陰陽論で解説します。
はじめに
子宮内膜は女性ホルモンの卵胞ホルモン(エストロゲン)の働きで、増殖、肥厚します。その後、妊娠しなければ、剥離し、月経となって体外に排出されます。
<子宮内膜症>は、この子宮内膜が正規の子宮内腔ではなく、骨盤内の腹膜や、卵管、卵巣にも発生してしまい、月経時にそれらの組織の中にも出血してしまうという病気です。
悪化すると、膀胱、直腸、小腸などの骨盤内臓器に留まらず、肺などにも発生する事があります。不妊症の人の20~30%に見られ、不妊症の大きな原因にもなっています。
西洋医学では、原因として、子宮内膜移植説や体腔上皮化生説などが挙げられていますが、本当の原因は不明とされています。
易の陰陽論と鍼灸医学を融合させた【私の鍼灸医学】で腎臓、肝臓の弱りが<子宮内膜症>の原因であることを解説します。体質改善の対策も見えてきます。
◆陰陽論とは
陰陽論とは易の基本思想の一つで、人間の生理、病理を理解する上で大変有用です。全ての物に正反対の性質を持った陰と陽があります。全ての物は、陰と陽を調和させることによって成り立っています。陰と陽は互いに引き合い調和しようとします。
一方、陰と陰、陽と陽は互いに反発しあい調和しようとしません。磁石のS極とǸ極をイメージすると分かり易いです。同じ極は反発しあい、異なる極は引き合うのと一緒です。
◆腎精が精神、肉体、エネルギーのおおもと
鍼灸医学では、<腎臓は精を蔵す>と言います。精を腎臓の中に蓄えているとするのです。それを腎精と呼びます。両親から頂いた先天の腎精と、飲食物と大気から作り出される後天の腎精の二つが合わさり、腎精が形成されます。その腎精が人の精神、肉体、エネルギーのおおもとになるのです。
◆エネルギーに陰陽がある
腎臓が蓄えている腎精から、陰のエネルギーの腎陰と、陽のエネルギーの腎陽の二つが生まれます。
・腎陰は、冷却する、鎮める、膨張する、緩む、伸びる、取り込む、物質(細胞など)を生み出す、副交感神経を活性化する、などの性質があります。
・腎陽は、加熱する、活発にする、収縮する、縮む、排出する、交感神経を活性化する、などの性質があります。
◆全ての内臓は陰気と陽気の二つのエネルギーを増減、調和させながら働く。
全ての内臓は、腎陰から供給される陰気と、腎陽から供給される陽気の二つのエネルギーを増減、調和させながら働いています。
◆ホルモンは陽性
ホルモンは腎陰から生まれ、活性化作用があります。従って、ホルモンは陽性です。
◆女性ホルモンにも陰と陽がある。
卵胞ホルモンは低温相に多く分泌されます。腎陰を増やし、で内膜を増殖、肥厚させ卵胞の成熟と排卵を促します。従って、卵胞ホルモンは陰陽性です。
黄体ホルモンは排卵後の高温相に多く分泌されます。腎陰を更に増やし、温度を上げて受精の準備を整えるのです。 従って、黄体ホルモンは陽陽性です
◆子宮は内膜に細胞と熱を蓄積し、月経として放出する、これを繰り返す臓器
以下の蓄積と放出を繰り返します。
・低温相から高温相にかけて卵胞ホルモンの作用で、腎陰を増やし、血管を拡張、させ、内膜を冷却、増殖、肥厚させます。言わば、妊娠の為の床作りです。
・黄体ホルモンの陽気の作用で、内膜と血液を急速に過熱させます。(この時、内膜は増殖、肥厚したままです)受精に備えてエネルギー を注入するのです。
・ 受精しなかったとなると、卵胞ホルモンと黄体ホルモン(特に卵胞ホルモン)を急速に減少させます。腎陰が減少すると内膜の細胞は崩壊していきます。その後、黄体ホルモンの陽気の作用で、内膜を収縮、排出し、蓄積された細胞と熱を排出するのです。これが月経です、
腎臓が弱ると、以下の事が起こります。
◆弱った腎臓が無理に働くと、腎陰が減少し、内膜の温度が上昇する。
腎陰が減少すると内膜の陰気が減少し、陽気過剰となり温度が上昇します。
腎陰から生まれる卵胞ホルモンは不足した状態です。
◆腎臓の弱りが進行すると、内膜が過熱し、その熱が子宮を取り巻く周囲の内臓に拡散していく。
腎臓の弱りが進行すると、腎陰と内膜の陰気が更に減少します。すると内膜が過熱し、その熱が子宮を取り巻く周囲の内臓に拡散していくのです。
肝臓が弱ると、以下の事が起こります。
◆弱った肝臓が無理に働くと、肝血の温度が上昇する。
鍼灸医学では肝臓は血液の貯蔵タンクとします。大量の血液(肝血と呼びます)貯蔵します。活動温度は約42度Cと高温です。弱った肝臓が無理に働くと肝陰が減少し、肝陽が亢進します。すると肝血の温度が上昇します。
◆肝臓の弱りが進行すると、高温になった肝血が全身に供給される。
肝臓の弱りが進行すると、肝血の温度が更に上昇します。そして、高温になった肝血が全身に供給されます。
◆高温になった肝血が生殖器とその周囲に蓄積していく。
生殖器は大量の血液を必要とします。従って、血液の影響を強く受けます。生殖器だけでなく、骨盤内の腹膜、膀胱、直腸、小腸などにも、肝血が蓄積していきます。
高温になった肝血が蓄積している内臓を病気から守る為、以下の事が起こります。
高温になった肝血が蓄積している内臓に<子宮内膜を止むを得ず作り>蓄積した細胞と熱を月経時に排出するのです。これが<子宮内膜症>の真の姿なのです。
あとがき
易の陰陽論と鍼灸医学を融合させた【私の鍼灸医学】で腎臓、肝臓の弱りが<子宮内膜症>の原因である事を解説しました。
腎臓、肝臓の弱りが進行すると、骨盤内の腹膜、膀胱、直腸、小腸にまで熱が蓄積します。熱が蓄積した内臓に<子宮内膜を止むを得ず作り>蓄積した細胞と熱を月経時に内膜と共に排出し、<内臓を病気から守ろうとする>のです。これが<子宮内膜症>の真の姿なのです。
戦前の日本では婦人科系疾患を<血の道症>と呼んでいました。<肝臓は血液の貯蔵タンク>です。月経、妊娠、出産は大量の血液を必要とします。従って、<血の道症>と言う言葉は<肝臓が弱ると婦人科系疾患を患いますよ>と言うことを意味していたのです。
少子化の今の日本では、全くの死語になってしまいましたが、昭和二十年代までの日本には<貧乏人の子沢山>と言う格言がありました。戦前の日本は、多くの人が貧乏で、五、六人の子供がいることが珍しく有りませんでした。困る程、子供に恵まれたのです。
一方、少数のお金持ちは、どういう訳か、子供が少なくて困っていました。この不思議な現象を言葉で表現したのが<貧乏人の子沢山>と言う格言なのです。
腎臓、肝臓を弱くする原因は、ストレス、過労、睡眠不足、食事など、色々有ります。中でも、とりわけ、食事の影響は大きなものがあります。戦前の日本の貧乏人とお金持ちの食事の一番大きな違いは、ひと言で言えば、<貧乏人は粗食>で<お金持ちは美食>だったと言うことです。
粗食と美食の一番の違いは、タンパク質、脂肪、野菜の摂り方にあります。粗食は動物性タンパク質と脂肪が少なく、野菜が多い、一方、美食は動物性タンパク質と脂肪が多く、野菜が少ないと言うことです。
動物性タンパク質と脂肪を摂り過ぎて、野菜が少ないと、腎臓、肝臓を弱めます。特に牛、豚、鶏などの動物性タンパク質の摂りずぎは腎臓を弱め、脂肪の摂り過ぎは肝臓を弱めます。野菜が少ないと体質全体を弱めます。<程よい粗食が強い体質を作る>のです。
今の日本人の一般的な食事は 、戦前の日本の、お金持ち以上の美食になっています。従って、(子育てが大変になったとは言え)今の日本には<子沢山>がいなくなり、<子宮内膜症>のような婦人科系疾患が増えてしまったのです。
戦前はほとんど使われなかった農薬や、食品添加物などの化学物質も体内に入ってきますから、それらの影響も決して無視する事は出来ないでしょう。
人の<命>の<誕生>と<終焉>と<継承>のメカニズムを易の陰陽論で解説します
はじめに
易の陰陽論に基づけば、世界は真反対の性質を持ったの二つに分けられます。目に見えない<陰の世界>と目に見える<陽の世界>です。<陰の世界>とは陽の<エネルギー>の世界です。<陽の世界>とは陰の<物質>の世界です。
人は生きています。生きているということは<命>によって生かされているということです。<物質>だけでは<命>を生み出すことは出来ません。<物質>と<生きるエネルギー>が融合、一体化することによってのみ<命>を生み出すことが出来るのです。
<霊>は<陰の世界>に属する<エネルギー>です。人の<命>を生み出す元になる<エネルギー>です。<陽の世界>の陰の<物質>と<陰の世界>の陽の<エネルギー>である<霊>が融合、一体化することによって<命>を持った人が誕生し、生きることが出来るのです。
易の陰陽論を用いて<人の命の 誕生から終焉を迎えるまで>のメカニズムと<人の命の継承>のメカニズムについて解説します。「自分がどのようにして誕生したのか、そして亡くなった後どうなるのか?」という難解なテーマに対して一つの答えを見出すことができます。
◆陰陽論とは
陰陽論とは易の基本思想の一つで、人間の生理、病理を理解する上で大変有用です。全ての物に正反対の性質を持った陰と陽があります。全ての物は、陰と陽を調和させることによって成り立っています。陰と陽は互いに引き合い調和しようとします。
一方、陰と陰、陽と陽は互いに反発しあい調和しようとしません。磁石のS極とǸ極をイメージすると分かり易いです。同じ極は反発しあい、異なる極は引き合うのと一緒です。
◆世界は真反対の性質を持った目に見えない<陰の世界>と目に見える<陽の世界>の二つから成り立つ。
<陰の世界>と<陽の世界>が対を成します。
◆<陰の世界>は無限、<陽の世界>は有限。
陽の<エネルギー>の世界は無限、陰の<物質>の世界は有限です。
◆陰の<物質>と陽の<エネルギー>は真反対の性質を持っている。
<物質>と<エネルギー>が対を成します。
以下、<人の命の 誕生から終焉を迎えるまで>のメカニズムを解説します。
◆人にも陰陽がある。
女は男に対して陰、男は女に対して陽です。
◆<卵子は陽陰>
女から卵子が生まれます。卵子は球形です。陽の典型です。<陰(女)極まって陽(卵子)を生ず>と言う、易の基本思想の典型です。卵子は基本的には<物質>ですから陰です 。従って、<卵子は陽陰>なのです。
◆<精子は陰陰>
男から精子が生まれます。精子は細長い形状です。陰の典型です。<陽(男)極まって陰(精子)を生ず>と言う、易の基本思想の典型です。精子は基本的には<物質>ですから陰です。従って、<精子は陰陰>なのです。
◆陽の<霊>にも陰陽がある。
<陰陽の霊>と<陽陽の霊>があります。
◆<陰陽の霊>は卵子と親和性があり融合、一体化し、卵子に<命>が宿る。
<卵子は陽陰>です。従って<陰陽の霊>と親和性が有ります。これらが融合、一体化すると、卵子に<命>が宿るのです。
卵子一個に一つの <陰陽の霊>が融合、一体化します。これを<卵子霊>と呼ぶこととします。
◆<陽陽の霊>は精子と親和性があり融合、一体化し、精子に<命>が宿る。
<精子は陰陰>です。従って、<陽陽の霊>と親和性があります。
これらが融合、一体化すると、精子に<命>が宿るのです。これを<精子霊>と呼ぶこととします。
精子の数は億単位です。しかも、一個として同じ精子は無く、全て異なります。それぞれの精子に融合、一体化する <精子霊>も全て異なり、億単位の数になります。
億単位の<精子霊>が既に、体と融合、一体化しているのです。
◆<命>の宿った卵子と精子が融合、一体化し胎児に<命>が宿る。
陽陰の卵子と、陰陰の精子は親和性があります。卵子と一番良く調和する(相性の良い)精子が数億の精子の中から選ばれ、融合、一体化し、胎児に<命>が宿るのです。これが受胎です。受胎時の<卵子霊>、<精子霊>が一体化した霊を<受胎霊>と呼ぶこととします。
◆<霊>は<霊>を呼ぶ
肉体の成長に従って、<霊>も成長していきます。<受胎霊>から始まり、<霊>の種類と、<エネルギー>の量も増加していきます。
◆<善い受胎霊>は<善い霊>を呼び、<悪い受胎霊>は<悪い霊>を呼ぶ。
<受胎霊>は思いを実践してくれそうな<霊>を選びます。従って、<善い受胎霊>は<善い霊>を呼び、<悪い受胎霊>は<悪い霊>を呼びます。
◆善行を積めば、<善い霊>が集まり、<善いエネルギー>が増加し 、悪行を積めば、<悪い霊>が集まり、<悪いエネルギー>が増加する。
努力する、勉強する、節制する、周りの人のた為に尽くす、などの善行を積めば、<善い霊>が集まり、<善いエネルギー>が増加します。
怠ける、不摂生な生活をする、利己的に生きる、悪事を働く、などの 、悪行を積めば、<悪い霊>が集まり、<悪いエネルギー>が増加します。
◆<善い霊>が集まり、<善いエネルギー>が増加すれば、運勢が上り、幸せな人生になる。
運勢が昇れば、健康になり、仕事も上手くいき、周囲に善い人が集まり、幸せな人生になります。
◆ <悪い霊>が集まり、<悪いエネルギー>が増加すれば、運勢が降り、不幸な人生になる。
運勢が降ると、病気をしたり、 仕事に失敗したり、周囲に悪い人が集まり、不幸な人生になります。
◆ 肉体の衰えと共に、<霊>は減少していき、余った<霊>は他の人に移行し、融合、一体化していく。
衰えた肉体に必要な分だけの<霊>を残し、余った<霊>は他の人に移行し、融合、一体化していきます。
◆<善い霊>は善行を積む<善い人>を選び、<悪い霊>は悪行を積む<悪い人>を選ぶ
<霊>は思いを実践してくれそうな人を選びます。 善かれ悪しかれ、<霊>にふさわしい人を選んで移行していくのです。
◆人が亡くなると共に<霊>は肉体から完全に離れ、他の人に移行し、融合、一体化する。
<霊>は<霊>のみでは存在出来ません。肉体と不可分です。融合、一体化する肉体をいつも必要とします。
◆<自然死>をした場合は<霊>の移行はスムーズに行われる。
肉体の衰えに合わせて、<霊>は他の人にスムースに移行し、融合、一体化していきます。
◆急な<不自然死>をした場合は<霊>の移行がスムーズに行われない。
事故死、突然死、急死、自殺などの急な<不自然死>をした場合は、<霊>の移行がスムーズに行われません。他の肉体に移行できなかった残りの<霊>は<陰の世界>をさまよった後、次第に消滅していきます。お世話になった<霊>にご恩返しする為にも<自然死>することが望ましいのです。
以下、<命の 継承>のメカニズムについて解説します。
「自分がどのようにして誕生したのか、そして亡くなった後どうなるのか?」という難解なテーマに対して答えを見出すには、<命の 継承>のメカニズムを理解する必要があります。更に、陰陽論で解説します。
◆<無限に拡散>は陰、<有限に凝集>は陽
この二つが陰陽の対を成します。
◆全ての物は<無限に拡散>と<有限に凝集>を繰り返す。
陰極まって陽、陽極まって陰、これも 易の基本思想の一つです。永遠に<無限に拡散>と<有限に凝集>の二つを繰り返すのです。
◆自分は<無限に拡散>した無数のご先祖様から<有限に凝集>した極まった存在。
仮に、一世代を25年として、ご先祖様の数を算出すると、下記のようになります。26世代 (650年)前の世代の人だけでも一億人を超えてしまいます。自分のご先祖様の総数は、全ての世代の人数の総和になりますから、楽に二億人を超えます。従って、ご先祖様の総数は<無限>と言ってい良いのです。つまり、<無限に拡散>した無数のご先祖様から<有限に凝集>し極まった存在が自分と言ことなのです。<霊>もまた同じです。
さかのぼる ご先祖様の
世代数 年数 人数
0 0歳 2人
1 25年前 4人
2 50年前 8人
3 75年前 16人
4 100年前 32人
5 125年前 64人
6 150年前 128人
7 175年前 256人
8 200年前 512人
9 225年前 1,024人
10 250年前 2,048人
11 275年前 4,096人
12 300年前 8,196人
13 325年前 16,392人
14 350年前 32,784人
15 375年前 65,568人
16 400年前 131,136人
17 425年前 262,272人
18 450年前 524,544人
19 475年前 1,049,088人
20 500年前 2,098,176人
21 525年前 4,196,352人
22 550年前 8,392,704人
23 575年前 16,785,408人
24 600年前 33,570,816人
25 625年前 67,141,632人
26 650年前 134,283,264人
◆<有限に凝集>した自分は、無数の子孫に<無限に拡散>していく存在。
ご先祖様の場合と同じ条件で考えれば、将来の子孫の数も、ご先祖様の場合と同じように、まさしく、<無限>と言って良いのです。つまり、<有限に凝集>した自分は、いずれ、無数の子孫に<無限に拡散>していく存在なのです。<霊>もまた同じです。
無数の精子が卵子に向かって<無限に拡散>し、迎える卵子は一個に<有限に凝集>します。無数の<霊>が無数の精子に<無限に拡散>し、一個の<霊>が一個の卵子に<有限に凝集>するのです。
◆人は<有限に凝集>し受精卵となり、受精卵が<無限に拡散>し人となり、これを繰り返す。
人は<霊のエネルギー>で<有限に凝集>し受精卵を生み、<無限に拡散>し人となるのです。そして、これを繰り返す永遠の存在なのです。
あとがき
無限の世界の<エネルギー>である<霊>と有限の世界の<物質>が、融合、一体化し、<無限の拡散>と<有限の凝集>を繰り返すことによって、人の<命>が<誕生>し、<終焉>を迎え、<継承>されていくのです。
肉体は<終焉>迎えても、<卵子>と<受胎霊>により新たな<命>が<誕生>し<継承>されていきます。
<無限に拡散>した無数のご先祖様から<有限に凝集>したのが自分であり、その自分が、やがて、無数の子孫に<無限に拡散>し、これを繰り返すのです。
<無限に拡散>することにより<混沌>が生まれ、それが<有限に凝集>して<秩序>となります。<人>の<命>が<誕生>し、人生を全うし、やがて<終焉>を迎える、それが<秩序>なのです。
そして、<無限に拡散>し <混沌>に、戻っていきます。混沌の状態からのみ正解が導かれるのです。これを永遠に繰り返すことによって<命>が<継承>されていくのです。これが易の基本思想であり、自然の摂理なのです。
人為とは全く無縁な、この繰り返しが、いつまでも続くことを祈らざるを得ません。
<過敏性腸症候群>でお困りのあなたに、本当の原因とメカニズムを解説します。
はじめに
何らかのストレスがかかった時に、<下痢をするのではないか>という不安と恐怖に襲われにわかに腹痛と下痢を起こしてしまう病気です。同じようなストレスがかかった時に<また、下痢するのではないか>という不安と恐怖に襲われ、また、腹痛と下痢を起こしてしまいます。困ったことに、これを繰り返すようになってしまうのです。
以前は<過敏性大腸炎>と言われていた病気です。しかし、最近は、小腸を含めた腸全体に機能異常があることが分かってきた、ということで、<過敏性腸症候群>と呼ばれるようになりました。
簡単にトイレに行けないような状況(通勤電車の中や会議中など)の時に起こりますから、仕事に、生活に、大きな支障が出てきます。しかし、どういう訳か下痢をしてしまえば、不思議に、とりあえず、治まってしまうのです。 ストレスがかからない時に腹痛と下痢が起こると言うことは無いのです。
<過敏性腸症候群>は若い人 (20~40代) に多く、日本人の15~20%に、この症状が見られるとされています。腹痛、下痢を起こすだけでなく、ガスが多かったり、下痢と便秘を繰り返したりする場合もあります。
西洋医学では、病気の憎悪因子としてストレス、不規則な生活、睡眠不足、疲労の蓄積、などを挙げていますが、原因は不明とされています。
治療としては、消化器内科や心療内科で症状抑えの薬物治療を行いながら、ライフスタイルや生活環境の改善をはかる、と言う方法が主流になっているようです。
<過敏性腸症候群>には下記のような、いくつかの何故?があります。
・何故? ストレスがかかると不安や恐怖に襲われるのか。
・何故? 不安や恐怖に襲われると<下痢をするのではないか>という気持ちになるのか。
・何故? 下痢をしてしまえば、とりあえず、下痢は治まってしまうのか。
・何故? 下痢をしてしまえば、とりあえず、不安や恐怖は消えてしまうのか。
・何故? 同じようなストレスがかかると、また不安や恐怖に襲われ、下痢を繰り返すのか。
・何故? 寝ている時は下痢しないのか。
・何故? ガスが多かったりするのか。
・何故? 下痢と便秘を繰り返す場合があるのか。
・何故? 若い人(20~40代)に多いのか
これらの、何故?が分かると<過敏性腸症候群>がどのような病気なのか理解することが出来ます。
易の陰陽五行論と鍼灸医学を融合させた【私の鍼灸医学】で<過敏性腸症候群>の発生メカニズムを解説します。本当の原因、予防法、食事法が分かってきます。
◆陰陽論とは
陰陽論とは易の基本思想の一つで、人間の生理、病理を理解する上で大変有用です。全ての物に正反対の性質を持った陰と陽が有ります。陰と陽は互いに引き合い調和しようとします。
一方、陰と陰、陽と陽は互いに反発しあい調和しようとしません。磁石のS極とǸ極をイメージすると分かり易いです。同じ極は反発しあい、異なる極は引き合うのと一緒です。
◆五行論とは(ごく簡単な解説に留めます)
易の基本思想の一つで、全ての物が<木、火、土、金、水>の五つの要素 により成り立ち、それぞれの要素が互いに相生、相克という影響を与えるとする考えです。
・相手の要素を補い強める影響を与えるものを相生と言い、 木は火を生じ、火は土を生じ、土は金を生じ、金は水を生じ、水は木を生ずるとします.
・ 相手の要素を抑え弱める影響を与えるものを相克と言い、木は土に勝ち、火は金に勝ち、土は水に勝ち、金は木に勝ち、水は火に勝つとします。
五臓、五腑が下記の如く五行に配当されます。
肝,胆は 木
心、小腸は 火
膵(すい)、胃は 土
肺、大腸は 金
腎、膀胱は 水
以下、【私の鍼灸医学】で腎臓、心臓、小腸、大腸の基本的生理、病理を解説します。
◆腎臓は精を、心臓は神を貯蔵する。
鍼灸医学では、 五臓(肝、心、膵、肺、腎)は 月(にくづき)に蔵と書くように、臓の中に大切な何かを貯蔵しているとします。
腎は<精>を蔵すといいます。腎臓は<精>を貯蔵しているとするのです。
心は<神>を蔵すといいます。心臓は<神>を貯蔵しているとするのです。
つまり、<精神>という言葉は、腎臓と心臓が、その中に貯蔵している、<精>と<神>を組み合わせて出来た言葉なのです。
◆腎精が精神、肉体、エネルギーのおおもと。
両親から頂いた先天の腎精と、飲食物と大気から作り出される後天の腎精の二つが合わさり、腎精を形成し、精神、肉体、エネルギーのおおもとになります。
◆腎精から腎陰と腎陽が生まれる。
それぞれの働きを下記します。
・腎陰
精神、肉体>を安定、沈静化するエネルギーです。副交感神経を活性化します。腎陰が不足すると精神、肉体が不安定になり、沈静化しなくなります。躁病やパニック障害が典型的な病気です。
・腎陽
精神、肉体>を活性化するエネルギーです。交感神経を活性化します。腎陽が不足すると精神、肉体が不活発になります。うつ病が典型的な病気です。
◆<神>は腎精より生み出され、人の精神、肉体、エネルギーを統括(コントロール)する。
心臓に貯蔵する神は腎精より生み出されます。そして精神、肉体、エネルギーを以下のように統括(コントロール)します。
・神は脳を通じて精神、肉体、エネルギーを統括(コントロール)する。
神が不足すると、精神、肉体、エネルギーをコントロール出来なくなります。
神が極端に不足すると、精神、肉体、エネルギーがコントロール不能となり、人として機能しなくなってしまいます。
◆腎精から心陰、心陽が生み出される。
それぞれの働きを下記します。
・心陰は、心臓を安定、沈静化するエネルギーです。副交感神経を活性化します。
・心陽は、心臓を活性化するエネルギーです。交感神経を活性化します。
◆心陰が十分あれば心陰、心陽のバランスが取れ、心臓は神を十分を貯蔵できる。
神が十分貯蔵出来ていれば。精神、肉体、エネルギーは良くコントロールされ健康な状態を保てます。
以下に、 <過敏性腸症候群>発症のメカニズムを解説します。
◆下痢は体を守る為にある。
下痢は胃腸の中にある有害な物を排出して、命を守る為に有ります。
◆下痢には陰性の下痢と陽性の下痢の二種類が有る。
細菌性の下痢を除き、下痢には以下の二種類が有ります。
・陰性の下痢
冷たい飲食物を摂り過ぎたり、お腹を冷やした時にする下痢です。
・陽性の下痢
何らかの原因で胃腸の中に発生した、過剰な熱を排出する為の下痢です。<過敏性腸症候群>の下痢がこれに相当します。
◆腎臓、心臓が弱っている人に、ストレスがかかると、腎陰、心陰が減少し、神が減少する。
人は、腎陰、心陰でストレスに耐えるのです。従って、ストレスがかかると腎陰、心陰を消耗します。
腎陰、心陰が減少すると、心陽が過剰になり心陰と心陽のバランスが崩れ、心臓が過熱します。その結果、神が減少し精神、肉体、エネルギーを良くコントロール出来なくなります。神が減少すると、不安と恐怖に襲われます。
◆減少した<神>を元に戻すために、過剰な心陽を経絡を通じて小腸に逃がす。
心臓と小腸は経絡でつながっています。心臓を守る為、過剰な心陽を経絡を通じて小腸に逃がし、心陰と心陽のバランスを取ろうとするのです。 心陰と心陽のバランスを取って、減少した神を増やし、元に戻そうとするのです。
◆小腸に蓄積した過剰な心陽を下痢することによって体外に排出しようとする。しかし
小腸に蓄積した過剰な心陽を下痢として排出しようとしても、大腸に便があるので、簡単に体外に排出する事が出来ません。そこで、先に、大腸に下痢を起こさせるのです。
◆小腸は五行論の相克の関係を利用 (火は金に勝つ)し、先に、大腸に下痢を起こさせ
る。
小腸は大腸に勝つのです。 従って、過剰な小腸の熱で大腸を克して、先に、大腸に下痢をさせるのです。
◆先に大腸が下痢してくれると、 小腸の過剰な熱は、下痢として容易に排出できる。
大腸に問題があって大腸の下痢が起こるのでは無いのです。小腸が容易に下痢できるよう、大腸は小腸に尅されて、大腸の下痢が先に起こるのです。
<過敏性腸症候群>の何故?について、以下、解説しまます。
・何故? ストレスがかかると不安や恐怖に襲われるのか。
腎臓の働きと、不安、恐怖、驚き、は密接な関係が有ります。生まれつき腎臓の弱い人は不安や恐怖に襲われ易いのです。
人は、腎陰、心陰でストレスに耐えるのです。従って、ストレスがかかると腎陰、心陰を消耗するのです。腎陰、心陰が減少して、不安や恐怖に襲われるのです。
・何故? 不安や恐怖に襲われると<下痢をするのではないか>という気持ちになるのか。
腎陰、心陰が減少すると、心陽が過剰となり、神が減少します。すると精神、肉体、エネルギーをコントロール出来なくなります。
下痢をすることにより、心臓と小腸の過剰な熱を発散し、減少した神を増やし、元に戻そうとするのです。
精神、肉体、エネルギーをコントロール出来るようにする為には、とりあえず、下痢する以外に上手い方法が無いのです。従って、<下痢をするのではないか>という気持が起こってくるのです。
・何故? 下痢をしてしまえば、とりあえず、下痢は治まってしまうのか。
心臓と小腸の過剰な熱を発散出来、減少した神が元に戻れば、とりあえず、精神、肉体>、エネルギーをコントロール出来るようになるからです。
・何故? 下痢をしてしまえば、とりあえず、不安や恐怖は消えてしまうのか。
過剰な熱を発散できれば、減少した腎陰と神は増加し、元に戻ります。すると不安や恐怖は、とりあえず、消えてしまうのです。
・何故? 同じようなストレスがかかると、又、不安や恐怖に襲われ、下痢を繰り返すのか。
<過敏性腸症候群>の人は、腎臓、心臓の弱りが、生まれつきあるのです。従って、腎陰と神が、いつも、ある程度不足した状態でいるからです。
・何故? 寝ている時は下痢しないのか。
寝ている時、腎陰は増加し、腎陽は減少しています。従って、心臓、小腸に過剰な熱は発生しないからです。
・何故? ガスが多かったりするのか。
膵臓が弱ると消化液が不足し、不完全発酵するのでガスが多くなります。すい臓の弱りが原因になる下痢もありますが、<過敏性腸症候群>とは直接の関係は有りません。
・何故? 下痢と便秘を繰り返す場合があるのか。
小腸に熱があれば、胃と大腸にも熱があります。大腸に熱があると便秘します。従って、下痢していないときは、便秘がちになるのです。
・何故? 若い人(20~40代)に多いのか
若い人は陽気が盛んです。腎陽、心陽が十分あるだけに心臓、小腸に過剰な熱が発生し易いのです。
あとがき
易の陰陽五行論と鍼灸医学を融合させた【私の鍼灸医学】によれば、以上のように<過敏性腸症候群>を良く理解する事が出来ます。原因は腎臓と心臓の弱りであって、腸が原因では無いのです。
<過敏性腸症候群>は生まれつき腎臓、心臓の弱い人がかかり易い病気です。ストレスは腎臓、心臓に負担を掛けます。ストレスにより腎陰、心陰と神が減少し、過剰な熱が発生すると、精神、肉体、エネルギーをコントロール出来なくなってしまうのです。
減少した腎陰、心陰と神を増やし、元に戻せば、精神、肉体、エネルギーをコントロール出来るようになります。その為、心臓の 過剰な熱を、経絡を通じて小腸に移し、下痢で体外に排出しようとするのです。
小腸で下痢する為には、大腸内の便が邪魔になります。従って、容易に下痢できるよう、小腸は大腸を尅して(五行論の火克金)、先に、大腸に下痢をさせるのです。
小腸、大腸に起こる下痢は<過敏性腸症候群>の原因ではありません。腎臓と心臓の弱った結果、発生した症状なのです。
とりあえず、小腸と大腸で下痢をして、命を守ろうとしているのです。 痛くてつらいですが、命を守る為には、止むを得ないのです。
西洋医学は、原因が、目に見えないエネルギーの世界にあると言うことに、一向に気が付きません。どういう訳か、目に見える物質の世界にしか目がいかないのです。原因らしきものが見つからなければ<原因不明>としてしまい、 それで終いです。
西洋医学の<悲しいまでの幼児性と独善性>がここにもあるのです。残念かつ不幸なことです。
<過敏性腸症候群>は腸の病気ではなく内臓、特に腎臓と心臓の病気であることを理解する必要があります。従って、 西洋医学の薬物治療では根本的に良くならないことを良く認識しなければなりません。
腎臓、心臓の働きを良くする為、仕事も含め、日常生活を見直し、改善する必要があります。
ストレス、過労、睡眠不足に注意し、適度な運動をするように心がけるのも良いことです。
腸に直接的に影響するだけに、飲食の注意は特に大事です。それらを下記します。
・辛い味の食品を控える(胃腸の粘膜が過熱し、下痢がひどくなります)
・熱い物を控える(胃腸の粘膜が過熱し、下痢がひどくなります)
・肉類を摂り過ぎない
・脂肪を摂り過ぎない
洋菓子、スナック菓子、菓子パン、チーズ、マヨネーズ、ピーナッツ、かりんとう、おかき、など
・タンパク質(肉類、豆類)を摂り過ぎない
・体質、季節に合った野菜を十分摂取する
・食物繊維を含む食品を十分摂取する
・アルコールは控えめに
・過食しない
・間食は出来るだけ控える。
・良く噛む
精神と腎臓、心臓の関係については、下記ブログを参照して頂くと、より分かり易いです。
高熱が出て、痛くてつらい<急性扁桃(腺)炎>本当の原因を解説します。
はじめに
喉は、体の入り口と言っても良い所です。扁桃とは、喉の奥の両側にある免疫器官です。
急性扁桃炎とは、喉の奥の両側にある扁桃が赤く腫れて、強い痛みや高熱に悩まさる感染症です。 常在 (体の中に常時生息して、普段は大人しくしているいる)菌が、どういう訳か扁桃の部分で繁殖してしまうのです。
子供や青年がかかり易い病気で、繰り返し易く、慢性化する場合もあります。しかし、高齢者がかかることは、ほとんどありません。
<急性扁桃炎>には以下のような、いくつかの何故?があります。
・何故? 扁桃だけが腫れるのか
・何故? 高熱(38~40度)が出るのか。
・何故? 大変痛いのか
・何故? 子供や青年に多く、高齢者にほとんど無いのか。
・何故? 常在菌(体の中に普段から生息している菌)が繁殖してしまうのか。
・何故? 扁桃に白い塊(膿栓)が出てくるのか。
・何故? 抗生剤を服用すれば数日で治ってしまうのか。
・何故? 繰り返し発症するのか。
・何故? 急性糸球体腎炎(むくみ、血尿、タンパク尿)、リウマチ熱(発熱、関節
痛)などの合併症を起こすことがあるのか。
これらの、何故?が分かると<急性扁桃炎>がどのような病気なのか、理解する事が出来ます。
易の陰陽論と鍼灸医学を融合させた【私の鍼灸医学】で<急性扁桃炎>の発生メカニズムを解説します。<急性扁桃炎>の本当の原因、予防法、食事法が分かってきます。
◆陰陽論とは
陰陽論とは易の基本思想の一つで、人間の生理、病理を理解する上で大変有用です。全ての物に正反対の性質を持った陰と陽が有ります。陰と陽は互いに引き合い調和しようとします。
一方、陰と陰、陽と陽は互いに反発しあい調和しようとしません。磁石のS極とǸ極をイメージすると分かり易いです。同じ極は反発しあい、異なる極は引き合うのと一緒です。
以下、【私の鍼灸医学】で腎臓と他の内臓の基本的な生理、病理について解説します。
◆腎臓が貯蔵している腎精が、人が生きるエネルギーのおおもと。
五臓は中に何かを貯蔵しているので臓と言います。腎臓は精を貯蔵しています。それを腎精と呼びます。人が生きるエネルギーのおおもとになります。
◆腎精から腎陰と腎陽の二つのエネルギーが生まれる。
・腎陰は、熱を冷ます、温度を下げる、涼しくする、鎮める、取り込む、菌を貪食する
(食べる)、などの働きがあります。
・腎陽は、加熱する、温度を上げる、活発にする、などの働きがあります。
◆内臓は熱 (活動熱)を生産しながら働く。
内臓は、自ら熱を生産し、活動しやすい温度 (適温)を維持しながら、働いています。
◆弱った内臓が無理に働くと過剰な活動熱発生し内臓が過熱する。
弱った内臓が無理に働くと、適温を超えた温度で働くことになるので、過剰な活動熱が発生し内臓が過熱します。
◆ 過剰な活動熱は内臓から放出され、上向し、体の上部のどこかに過熱した所が出来る。
内臓を守る為、過剰な活動熱を放出するのです。
◆過熱した所を冷ますのは腎陰の働き。
過熱した所は、うっ血し、血液循環が悪化し弱ってきます。過熱した所を冷まし、涼しくしするのは腎陰の働きです。血液循環を良くし、弱った所をもとに戻そうとするのです。
以下、【私の鍼灸医学】で肝臓と腎臓の基本的な生理、病理について解説します。
◆腎精から、肝陰と肝陽の二つの エネルギーが生まれる。
・肝陰は、肝臓の、熱を冷ます、温度を下げる、涼しくする、鎮める、取り込む、菌を
貪食する(食べる)、などの働きがあります。
・肝陽は、肝臓を、加熱する、温度を上げる、活発にする、などの働きがあります。
◆細菌を 貪食する(食べる)のは腎陰と、肝陰の働き。
腎陰と肝陰の働きが、いわゆる免疫力になるのです。
以下、【私の鍼灸医学】で腎臓、肝臓と扁桃の基本的な、生理、病理について解説します。
◆腎臓と扁桃は経絡でつながっている。
腎臓の経絡は上向して舌の根元をはさみ、両側の扁桃につながっています。
◆扁桃は、大人になるまでの期間限定で設けた、免疫器官 。
子供の腎臓、肝臓では、まだ免疫力が十分発揮出来ません。その為、体の入り口である口の中に、扁桃と言う免疫器官を期間限定で設けて、大人になるまでの間、外敵から身を守る役割を担わせるのです。
◆腎蔵、肝蔵が元気であれば、扁桃に侵入した菌は、楽に貪食出来る。
腎臓、肝臓が元気であれば、腎陰、肝陰が十分あるので、楽に貪食出来ます。従って<急性扁桃炎>になる事はありません。
◆腎臓、肝臓が弱ると、腎陰、肝陰が減少してしまい、貪食出来なくなり、仕方無く炎症を起こし、免疫力を上げ貪食する。
菌が身体の中に侵入しないよう、仕方なく炎症を起こし、免疫力を上げて貪食しようとするのです。これが<急性扁桃炎>です。
以下、<急性扁桃炎>の何故?について解説します。
・何故? 扁桃だけが腫れるのか
腎陰と肝陰の働きが、いわゆる免疫力になりす。扁桃と腎臓は経絡でつながっています。腎臓の出先の免疫器官として、扁桃に働いてもらうのです。
豊臣家と徳川家の間で戦われた<大阪冬の陣>に例えると分かり易いです。 <大阪城が腎臓>に、出城である<真田丸が扁桃>に相当するのです。徳川勢の攻撃を真田丸と言う出城で迎え撃ち、大阪城を守ろうと言う訳です。
・何故? 高熱(38~40度)が出るのか。
免疫力(貪食能力)を上げる為に、高温にする必要があるのです。腎臓、肝臓の弱い子供ほど、高熱が出てしまうのです。
・何故? 大変痛いのか
炎症の痛みです。温度が高い程、痛みは強くなります。熱が高ければ高いほど、大変痛い思いをします。
・何故? 子供や青年に多く、高齢者にほとんどないのか。
大人の腎臓、肝臓になれば、体全体の免疫機構が整備されますから、免疫器官としての扁桃の役割は終了するのです。
・何故? 常在菌(体の中に普段から生息している菌)が繁殖してしまうのか。
腎臓、肝臓が弱いと腎陰、肝陰が減少し、常在菌を貪食出来なくなるからです。
・何故? 扁桃腺に白い塊(膿栓)が出てくるのか。
貪食された常在菌をまとめたのが、白い塊となって出てくるのです。
・何故? 抗生剤を服用すれば数日で治ってしまうのか。
抗生剤で常在菌が死んでしまえば、炎症を起こす必要はもう無いからです。
・何故? 繰り返し発症するのか。
抗生剤で常在菌が死んでしまっても、腎臓、肝臓が丈夫になった訳ではありません
従って、また繰り返すのです。
・何故? 急性糸球体腎炎(むくみ、血尿、タンパク尿)やリウマチ熱(発熱、関節
痛)などの合併症を起こすことがあるのか。
鍼灸医学では急性糸球体腎炎とリウマチ熱の原因は腎臓とします。腎臓が大変弱っていると、これらの合併症を起こし易いのです。
あとがき
<急性扁桃炎>は、生まれつき腎臓、肝臓の弱い子供が起こし易い病気です。日常生活の中に、腎臓、肝臓に負担のかかる事があり、それが積もった時に発症します。繰り返し発症する子供は何とか体質改善をする必要が有ります。
無理の無い、規則正しい生活をすることが大事です。 飲食の注意は特に大事です。 それらを下記します。
・肉類を摂り過ぎない
・脂肪を摂り過ぎない
洋菓子、スナック菓子、菓子パン、チーズ、マヨネーズ、ピーナッツ、かりんとう、おかき、など
・タンパク質(肉類、豆類)を摂り過ぎない
・体質、季節に合った野菜を十分摂取する
・食物繊維を含む食品を十分摂取する
・五味(酸、苦、甘、辛、鹹)を摂り過ぎない
・過食しない
・間食は出来るだけ控える。
・良く噛む