プラス思考と幸せ
はじめに
プラス思考は人生を、より幸せに、楽しく、輝かせてくれるのだそうです。気持ちも明るくなります。なんだか良さそうです。しかし、プラス思考も過ぎ ると不幸な結果を招くという人もいます。そもそも幸せとは一体何なのでしょう。どうしたら幸せになるのでしょう。
易と鍼灸医学を融合させた【わたしの鍼医学】でその問いにお答えします。
◆プラス思考のあらまし
以下のように、プラス思考で生きると、自分を良い方に変えることができ、幸せになれるのだそうです。
・悪いことでも感謝の気持ちで受け止められる
・ささいなことでも幸せに感じられる
・ピンチでもチャンスと前向きに受け止め積極的になれる
・ささいなことはあまり心配せず、未来を明るく考えられる
・積極的で交友関係が広くなる
・気持ちを強く持てる
◆プラス思考の欠点
一方、プラス思考には、大きな欠点があるとの指摘もあります。幸せになりたいという一心で、プラス思考が過ぎてしまうと、返って不幸になるというのです。あくまでも自然体が良いのだという考えです。プラス思考が過ぎると、下記のようになるというのです。
・思い込みが激しくなり周りの人と合わなくなる。
・積極的になり過ぎ、ネガティブな人を無意識のうちに拒絶する。
・言うほど行動が伴わない
◆プラス思考は安易に使えない
こうなると、プラス思考が良いのか、悪いのか、自然体が良いのか全く分からなくなってしまいます。自然体が良いと簡単に言われても、プラス思考よりもっと難しそうです。プラス思考など意識せず、好きにやった方がよっぽど良いのかと思ってしまいます。まじめな人は、かえって迷ってしまいます。そもそも、幸 せとは何なのかと言うことがはっきりしていないので、空回りするばかりです。
幸せとは一体何なのか、原点に立ち返り【わたしの鍼灸医学】で解説します。
◆大きな災いを招かない。それが幸せ
人生山あり谷あり、楽な毎日では有りません。ちょっと気を抜くと、すぐ災いが降りかかってきます。甘く見ると大きな災いが降りかかってきます。小さな災いは当たり前です。災いを招かないということは、簡単なようで大変難しいことです。
大きな災いを招かないと言うことだけでも幸せなのです。時々小さな幸せがある、その
位の方がかえって幸せをしみじみ実感できます。
◆幸せは心の問題 絶対的基準はない
幸せとは目に見えない心の世界のことです。絶対的基準はありません。周りの 人がいくら不幸だと思っても、本人が幸せだと思っているならば幸せなのです。
◆物質的に豊かになると反対に心は貧しくなり、不幸になる
お金や物が豊かになればなる程、心は貧しくなる傾向があります。心が貧しく なると不幸になります。
幸、不幸の現れ方には一定の法則があります。易の陰陽論を使って話を進めます。
陰陽論については<なぜ、あなたは大腸がんにかかるのか すぐできる食事法の紹介>を参照してください。
◆陰極まれば陽、陽極まれば陰
宇宙の全てのものは変化して止みません。冬の一番寒い大寒に立春がきて夏に向かいます。夏の一番暑い大暑に立秋がきて冬に向かいます。冬の盛りに次の季節の春のスイッチが入り、夏の盛りに次の季節の秋のスイッチが入るのです。つまり、あることが頂点に達した時に、次にやってくる山がもう始まっているのです。多くの人はこの気配に気づきません。
◆幸と不幸は必ず交互にやってくる。
幸福が永遠に続くということはありません。不幸もまたそうです。幸と不幸は必ず交互にやってきます。従って、頑張って不幸から抜け出し幸福になっても、残念ながら、いずれまた不幸が訪れます。
◆幸福が頂点に達した時、ひそかに次の不幸が始まる
幸福に浸っていますから、次の不幸が始まっているその気配に気づきません。
◆不幸が頂点に達した時、ひそかに次の幸福が始まる。
不幸に沈んでいますから、次の幸福が始まっているその気配に気づきません。
◆簡単に幸福が手に入ると、後で大変な不幸を招く。
人生を甘く見てしまいます。その後、大きな不幸を招くのです。
ここまで、幸せとは一体何なのかと言うことと、幸、不幸の現れ方の法則に ついて解説してきました。しかし、プラス思考となかなかかみ合いません。なぜでしょう。何かが欠けているのです。その何かについて、以下、解説していきます。
◆プラス思考は人間の本質に関する理解と関心が希薄
テクニックさえ身につければ、ハッピーになれますよと、それを強調するばかりで 人間の本質に関する理解と関心が希薄です。
◆人間の言動の源泉は心
心から人間の言動は生まれます。プラス思考のテクニックを身につけても、心が変わらなければ言動は生きてきません。
◆プラス思考の人の心は<欲と恐怖>
プラス思考は表面的には明るく見えますが、根底で、その心は<欲(陽)と恐怖(陰)> がセットになっています。幸せになりたい一心で、テクニックを磨きプラ ス思考に励 むと。欲が増大し、貪欲になります。不幸になりたくないという気持ちがつのれば、恐怖が増大します。何とかして幸せになろう、不幸になりたくないと、プラス思考に 励めば励むほど、欲と恐怖が増大していき、かえって不幸になります。周りの人にも 悪影響を与え、不幸にしてしまいます。ここにプラス思考の不健全さがあります。
◆健全な人の心は<貢献と喜び>
健全な人の心は、<欲と恐怖>ではなく<貢献(陽)と喜び(陰)>がセットになっています。<欲と恐怖>がありませんから、災いを招くと言うことも有りません。 健全 な喜びになるのです。周りの人に対して貢献すればするほど自分の喜びも増加します。
◆健全な人の心が幸せを招く
貢献された人からのお返しが必ずあります。これが幸せにつながるのです。周りの人も自分も幸せになります。これが本当の幸せです。
まとめ
◆プラス思考とは
・プラス思考は、軽いノリで使う分には明るい気持ちになり幸せ感が得られる。
・プラス思考は、テクニック重視で、人間の本質に関する理解と関心が希薄
・プラス思考の人の心は<欲と恐怖>がセットになっている
・プラス思考は、過ぎると、<欲と恐怖>が増大しかえって不幸になる。周りの人にも悪影響を与えてしまい、不幸にしてしまう。
◆健全な人の心が本当の幸せを招く
・健全な人の心は<欲と恐怖>ではなく<貢献と喜び>がセットになっている
・健全な人の心は<欲と恐怖>が無いから災いを招くことが無い
・健全な人の心は、相手に貢献することを最優先。相手の喜びが自身の喜びになる
・健全な人は相手からのお返しが必ずあり、お互いが幸せになる。
これが本当の幸せです