慢性病の大きな原因の一つは「五味」の過剰摂取
五味とは
鍼灸医学では酸、苦、甘、辛い、塩辛い、の五つの味を五味と呼びます。そして、それぞれ以下の様に、入りやすい五臓があり、程よく摂取すればそれらを養い、過度に摂取すればそれらを傷づけ病気の原因になるとします。
易の陰陽論と鍼灸医学を融合させた【私の針灸医学】で解説します。
◆陰陽論とは
陰陽論とは易の基本思想の一つで、人間の生理、病理を理解する上で大変有用です。全ての物に正反対の性質を持った陰と陽が有ります。陰と陽は互いに引き合い調和しようとします。一方、陰と陰、陽と陽は互いに反発しあい調和しようとしません。磁石のS極とǸ極をイメージすると分かり易いです。同じ極は反発しあい、異なる極は引き合うのと一緒です。
程よく摂取すればそれらの臓を養い、過度に摂取すればそれらを傷めるとします。
酸は肝(肝臓)に入り
苦は心(心臓)に入り
甘は膵(すい臓)に入り
辛いは肺(肺臓)に入り
塩辛いは腎(腎臓)に入る
とします
◆五味の食べ物
五味の代表的な食べ物を下記します。
酸:お酢、みかん、レモン など
苦:ゴーヤ、ピーマン など
甘:砂糖、サツマイモ、カボチャ など
辛:とうがらし、からし、こしょう、山椒、根ショウガ など
塩辛い:みそ、しょうゆ、塩から、ラーメンの汁 など
◆五味には陰と陽がある
五味には陰陽が有り、それ等を陰陽の強さの順に並べると以下の様になります。
辛い(極陰) 酸(陰) 甘(中庸) 塩辛い(陽) 苦(極陽)
◆陰と陽の性質と過剰摂取による影響
陰性の味には膨張、発散する性質があり、陽性の味には反対に、収斂、収縮する性質があります。従って、五味の過剰摂取により体細胞の過大な膨張や収縮を招きます。
例えば
辛い味を過剰摂取すると、大腸が緩み便を押し出す力が低下し、便秘の原因になります
塩辛い味を過剰摂取すると心臓、血管、筋肉が収縮し血圧が上がったりします。