なぜ、あなたは便秘になるのか 便秘の原因と改善法、食事法
はじめに
多くの人が便秘で困っています。効果があると思われる様なことを、色々試しみても、体質的な問題もあり、なかなか思うようにはいきません。上手くいかない原因の一つに、便秘を鍼灸医学的に見ていない、ということがあげられます。鍼灸医学的な見方を加えて理解すれば、より効果的な便秘の予防法と改善法が見えてきます。
易と鍼灸医学を融合させた【私の鍼灸医学】で解説します。既に解説した<なぜ、あなたは大腸がんになるのか>を併読して頂くと、より理解しやすくなります。
以下、便秘のメカニズムを【わたしの鍼灸医学】で解説します。
◆陰性、極陰性の飲食物を過剰摂取すると大腸が弛緩する。
陰性の飲食物(牛乳、チーズ、ヨーグルト、生クリーム、油脂類、バナナ、パイナップル、グレープフルーツ、セロリ、アスパラガス、ナス、トマトなど)と極陰性の飲食物(コーヒー、アルコール、唐辛子、からし、胡椒、山椒、カレー、根ショウ、酸化した油脂、など)を過剰摂取すると、大腸が弛緩し、拡張、下垂します。
◆大腸が弛緩すると便秘が始まる。
大腸が弛緩すると便が太くなり、蠕動運動も低下し、便をスムースに押し出せなくなります。これが便秘の始まりです。
◆陰性、極陰性の飲食物を過剰摂取すると大腸表面が過熱する。
大腸表面の毛細血管が拡張し血液が流入し大腸表面が過熱します。
◆表面が過熱すると粘膜が潤いを失い、余計に便秘する
熱で表面の水分が失われ、粘膜が潤いを失い、滑りが悪くなります。余計便秘します。
◆便が過熱し硬くなり更に便秘する
熱が便に移り過熱し、便の水分が失われ、硬くなります。更に便秘します。
◆便秘の三大要因は次の三つ
・便が太くなり、押し出す力も低下する(大腸が弛緩し蠕動運動が低下するため)
・便の滑りが悪くなる(熱で水分が失われ、粘膜が潤いを失うため)
・便が乾燥し、硬くなる(熱が便に伝わり便の水分が失われるため)
頑固な便秘はこれら三つの要因が重なっています。
◆便秘は、色々な慢性病の原因になる。
便の温度が高いので肉類は腐敗し陽性の毒が発生します。陽性の毒は血液に吸収され全身を巡り、様々な陽性の病気の原因になります。直接的には大腸ポリープや大腸がんの原因になります。
ここからは、便秘をさらに理解するための、肺、肝、腎の働きについて解説します。
◆肺の働きが排便を促進する。
針灸医学では陰臓の肺と陽腑の大腸は陰陽の対を成しており、互いに協力して働いているとします。肺の呼吸作用が大腸の排便作用を促進し、大腸の排便作用が肺の呼吸作用を促進しています。
◆大腸の蠕動運動は肝臓のエネルギーで行う。
針灸医学では、肝臓のエネルギーで筋肉は動くとします。蠕動運動する大腸の筋肉を動かすのも肝臓のエネルギーなのです。
◆消化器をコントロールする自律神経を動かすのは、腎臓の陰気と陽気
消化器は自律神経によって自律的にコントロールされています。交感神経は腎臓の陽気、副交感神経は腎臓の陰気で働いています。
まとめ
◆陰性、極陰性の飲食物の過剰摂取が便秘の一番の原因
◆肺、肝、腎も大腸に協力して排便を促している。
排便作用は大腸単独の働きではなく肺、肝、腎も協力しています。
◆肉の過剰摂取と便秘が重なると、陽性の病気の原因になる。
便の温度が高く、滞留時間も長くなるので肉が腐敗し陽性の毒が発生します。それが血液中に流入し全身を巡り、陽性の病気の原因になります。直接的には大腸ポリープや大腸がんになります。
◆便秘を改善するための食事法について
陰性の飲食物、極陰性の飲食物を下記します。過剰摂取に十分注意しなければなりません。
陰性の飲食物
牛乳、チーズ、ヨーグルト、生クリーム、バナナ、パイナップル、グレープフルーツ、セロリ、アスパラガス、ナス、トマトなど
極陰性の飲食物
コーヒー、アルコール、唐辛子、からし、胡椒、山椒、カレー、根ショウガ、酸化した油脂、など
◆脂肪は肝臓に負担をかけます。過剰摂取に注意がいります。脂肪の多い食品を下記します。
肉類揚げ、揚げ物、イタリア料理、チーズ、マヨネーズ、ドレッシング、油揚げ、厚揚げ、がんもどき、さつま揚げ、ナッツ類、洋菓子、スナック菓子、菓子パンなど
◆タンパク質の摂り過ぎは腎臓に負担をかけます。過剰摂取に注意がいります
タンパク質の多い食品を下記します。塩分の過剰摂取にも注意がいります。
肉類,豆製品など
◆一般的にあげられている便秘の原因は下記のようなものが有りますが、上記のようなメカニズムを説明することはできません。
・食物繊維不足
・運動不足
・ストレス
・睡眠不足
・水分不足
・腸内フローラの悪化
・加齢
・病気や薬の副作用